「武器メーカー」イコール「死の商人」なんて昔の話 日本が最も“アツい”兵器マーケットに

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

就任直後の吉田圭秀陸上幕僚長の姿も

「武器メーカー」と聞くと“死の商人”のようなネガティブなイメージを抱く人もいるかもしれないが、多くの国では立派な輸出産業として認知されている。

 ウクライナの例を引くまでもなく、自国民を守るために高性能の武器が必要なのはもはや常識だろう。過酷な環境下での使用が想定されるだけに、最先端の技術が応用される分野でもある。

 スウェーデン製の対戦車砲も、日本では自動車メーカーとして知られるサーブ社が作ったもの。

 バイクメーカーとして名高いカワサキは、実は自衛隊向け航空機も製造しており、今回の展覧会ではバイク用エンジンを積んだ無人ヘリを出展していた。

 人垣の奥から「おお~」というどよめきが聞こえた。声の方向に目を向けると、そこにいたのは、吉田圭秀(よしひで)陸上幕僚長(60)だった。

 数日前、全自衛隊を束ねる統合幕僚長に、東大卒として初めて起用されることが報じられたばかり。

 幕僚長の前にはあいさつ待ちの長い行列ができていた。

「防衛費倍増」を掲げる岸田政権

 自衛隊だけではない。イギリスのウォレス国防大臣や、イタリアのクロセット国防大臣も、大勢の部下を引き連れ最新兵器の説明を受けていた。

「現在、日英伊の3カ国で次世代戦闘機の共同開発計画が進んでいる。防衛費倍増を掲げた岸田政権下の日本は、今や世界で最もアツい“兵器マーケット”のひとつです」

 そう話すのは防衛産業に身を置く関係者だ。

 空前の予算をめぐる“戦争”は、すでに始まっているというわけだ。

撮影・福田正紀

週刊新潮 2023年3月30日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。