「道端ジェシカ」なぜ逮捕容疑が一般には知られていない「麻薬特例法違反」だったのか

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 ファッションモデルで、“道端三姉妹”の次女として知られる道端ジェシカ容疑者(38)が警視庁に逮捕されていたことが分かった。知人と滞在していた都内のホテルの部屋で、合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、麻薬特例法違反の疑いが持たれる。道端容疑者は容疑を否認しているとされ、今後、警視庁は、荷物の発注主は誰か、なぜホテルに滞在していたのかといった点について慎重に捜査を進めることになる。

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 事件の真相については捜査の進捗を待つとして、ここで注目すべきは“麻薬特例法”という用語である。女優の沢尻エリカがMDMAを所持していたとして逮捕された際は、“麻薬取締法”違反容疑だったが、果たして、何が異なるのだろうか。

 道端容疑者の一件についてNHKのウェブサイトは、以下のように報じている。少々、注意しながら目を通して頂きたい。

<海外から到着した荷物の中にMDMAが隠されているのを税関の職員が見つけ、送り先となっていたホテルに荷物が届いた際に警視庁の捜査員が部屋に踏み込み、2人をその場で逮捕したということです>

 この文章の奇妙な点に気づいた方もいるはずだ。

 税関の職員が海外から届いた荷物のなかにMDMAを見つけたにもかかわらず、なぜその荷物がホテルまで配達されたのか。また、実際に配達されたとして、捜査のためとはいえ違法薬物を市中に出してしまっていいのか――。

 本来であれば、MDMAが発見された時点で税関に押収されると考えるのが自然だろう。実は、ここに“麻薬取締法”と、それによって導入された“泳がせ捜査”が深く絡んでくるのだ。

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