娘が産まれて“外注”になった41歳夫の悩み…悪友から見せられたスマホで知った“妻の秘密”とは

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 夫婦はお互いの過去をほとんど知らないことが多い。相手の親や親族、友だちに会ってみても、彼らに対する相手の心の奥深くまで知ることができるわけではない。ある意味で、「結婚は賭け」という言い方は正しいのかもしれない。

 自分の知らない相手の過去を知ったとき、そして現状と照らし合わせたとき、絶望に陥ることもある。そこから関係を再構築することはできるのだろうか。

「子どもが産まれてから、ずっと妻と“レス”だったんです」

 尾川洋輔さん(41歳・仮名=以下同)は、俯き加減でそう言った。すらりと背が高く、ムダな肉のついていない若々しい印象の人だが、表情だけが少し暗い。

 洋輔さんが結婚したのは30歳のとき。相手は、当時彼が住んでいた地域の図書館で知り合った友里菜さんだ。顔見知りになったのが25歳のころで、つきあい始めたのが27歳。そしてようやく結婚にこぎつけた。

「社会人3年目で、もっと勉強しないと同期に出遅れる。だから週末はよく勉強するために図書館に通っていたんです。3歳年下の彼女は最初は卒論を書くために来ていたんだそうです。その後、彼女が社会人になり、お互いに忙しい日々を送りながらも、なんとなくときどき連絡を取り合って。ゆっくりゆっくりつきあって、この人しかいないと決めてプロポーズしました」

 洋輔さんは、「女性に不慣れで恋愛ベタ」だったという。だが、友里菜さんへの気持ちは揺るがなかった。デートするようになってから彼女が待ち合わせに遅れてきたことはただの一度もない。何かあれば事前に必ず連絡があった。

「お互いに忙しいのだから、長電話はやめようと彼女のほうから言ってくれたんです。それまでも恋人がいたことはあるんですが、電話がほしいとか週末は必ず会うとか言われると、なんだか荷が重くなってしまう。その点、彼女は時間があるときにゆっくり会いたいというタイプ。僕と同じだったから気が合ったんだと思います」

 落ち着いていて、常に自分の意見をはっきり言った。だがふたりきりのときは甘えてくる。そんな友里菜さんに彼は心をつかまれたのだ。

「結婚式もパーティもいらないと言い出したのも友里菜です。とはいえ、お互いに会社員ですから先輩や上司の手前もある。すると彼女、『お祝いもいらないから、会費制のパーティにしちゃおう。仕事関係のみで』と言うんです。その会費というのがなんと5,000円。中庭のあるステキなレストランを借り切って、食事もおいしかったですよ。もちろん足が出ましたが、思ったより安くすんでびっくりしました。彼女がレストランのオーナーを知っていたようです」

 その後、友人を呼んでのパーティをするはずだったのだが、結婚したときはすでに友里菜さんは妊娠していてつわりがひどくなったため、パーティは延期した。その後、娘が産まれ、彼女は仕事に復帰して多忙な日々が始まったので、結局、パーティはしないままだった。

「だから僕、彼女の友人にはほとんど会ったことがないんです。中学時代からの親友が一度、家に遊びに来たことはありましたが。僕のほうも高校時代の友人たちが数人、来たことはあります。どうも彼女は夫婦で共通の友人になるより、それぞれの友だち関係を大事にしていけばいいという考え方だったようです。それならそれでこちらも気が楽だなと思っていました」

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