「Colabo問題」“8000万円カンパ法廷闘争”がスタート 仁藤夢乃氏につきまとったYouTuberには接近禁止命令

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 虐待や性被害を受けている少女たちの支援活動を行っている一般社団法人「Colabo」の会計不正問題を追及してきた「暇空茜」と名乗る男性が、東京都知事らに対して起こした住民訴訟がとうとう始まった。暇空氏側とColabo側もすでに双方が訴え合う展開になっており、今後、争いは法廷に持ち込まれることになる。一方、Colaboが活動拠点としている新宿区役所前では、活動を妨害しようとする男性グループが現れ、男女十数人が罵り合う「路上バトル」が頻発。妨害活動の中心となっている男性YouTuberに東京地裁が、半径600メートル以内の接近・妨害行為等を禁じる仮処分を出す事態になった。

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暇空氏本人は現れず

 東京高裁が袴田巌さんの再審開始決定を出した3月13日。東京地裁103号法廷には、Twitter界隈で旋風を巻き起こしている人物を一目見ようと、大勢の傍聴人が詰め掛けていた。

 傍聴人が待っていたのは、「暇空茜」こと水原清晃氏である。水原氏は、昨年末、東京都監査委員に対し、Colaboには会計の不正と公金の不正受給があるとして住民監査請求を行った。監査委員は水原氏の主張の大半を「妥当でない」と退けたため、次のステップとして住民訴訟を起こしたのである。だが、初回の口頭弁論に水原氏本人は現れず、原告席に座ったのは委任を受けた3人の弁護士だった。

 一般的に住民訴訟の担い手はオンブズマンであり、水原氏のような一個人が起こすことは極めて異例だ。というのも、水原氏はこの訴訟に勝ったところで一円の利益も得られない。住民訴訟は地方公共団体の財務会計の是正を求める訴訟であり、水原氏の要求は、不正受給があったと同氏が主張している委託費用を都がColaboに返還請求すること、さもなければ、小池都知事や都の担当職員らに都が賠償請求せよというものである。

 何のためにこんな面倒なことをするのか――。法廷では、その疑問に水原氏が答える「意見陳述」が、弁護人によって代読された。マイクを握ったのは、“コスプレ美人弁護士”として知られる、あつみ法律事務所代表・渥美陽子弁護士である。

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