「Colabo問題」“8000万円カンパ法廷闘争”がスタート 仁藤夢乃氏につきまとったYouTuberには接近禁止命令

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困惑する新宿区の担当者

 小学生でよくありがちな、本当は好きだけども素直に行動できないいじめっ子男子を見ているようだ。もちろん、面白半分で絡んでくる男性側に非があるのは言うまでもない。だが、仁藤氏らも、「かーえーれ!」「きーもーい!」の大合唱で相手を追い返そうとしたり、挑発的な態度を取り続けたため、相手の行動をエスカレートさせたと指摘する声もある。ともあれ、このような迷惑なトラブルが1カ月以上も続いてきたのである。

 とうとう3月14日には、男性YouTuberの一人に対し、活動場所の半径600メートル以内での妨害行為等を禁じる裁判所の仮処分命令が出されるに至った。

 バスの場所を提供している新宿区もこの騒ぎに困惑している。2月17日、総務課長が都の福祉保健局の担当者に宛てて「支援事業の活動における安全確保について」という依頼文書を送付した。総務課長は取材にこう答える。

「争いは庁舎前の歩道で起きており、歩行者の妨げになっているなどと安全面を心配する声が区役所に多数寄せられています。今後、騒動が大きくなった場合、庁舎を管理する我々にも支障が生じる可能性がありますので、事業を管轄する都の福祉保健局に発生している状況について適宜、情報収集していただき、監督をお願いした次第です。ただし、Colaboさんを指導してほしいという意味で文書を送ったわけではありません。私たちはどっちが良い、悪いという立場ではなく、ただ、場所を提供しているだけの立場ですので……」

 妨害活動をしている男性グループが、今回の禁止命令で引き下がるかどうかは不透明だ。仁藤氏のTwitterによると、3月14日、次回のバスカフェを中止するよう東京都から連絡があったとのことだ。

 都議会で「Colabo問題」を追及してきた川松真一朗都議は、「混乱を招いた元凶は、Colaboに事業を委託した都の福祉保健局にある」と指摘する。

「福祉保健局はColaboに事業を委託する際、予算を先払いする『概算払い』をしてきた。先にお金をもらってしまえば、マックスで使い切ってしまおうと誰もが思うでしょう。さらに都は領収書等の提出を厳格に求めないなど、事後チェックも怠ってきたのです。問題なのはこの期に及んで、福祉保健局が『精算は適正にやってきた』と繰り返し、事業形態を委託から補助に切り替えるだけで乗り切ろうとしている点です。Colabo側も自分たちが正しいと主張したいならば、台帳をすべてオープンにすべき。いまだに福祉保健局に、個人情報の保護などを理由に一部の領収書を出していません」

ダンマリを決めている小池都知事

 そして、事態の収拾を図るには「知事がリーダーシップを発揮するしかない」と訴える。小池百合子知事は3日の定例記者会見でColabo問題について問われ、「国の事業であって、私どもは委託を受けている」と他人事のように答えている。(なお、この回答は後日、「正しくは、国の補助事業の仕組みに基づき都の委託事業として実施している」旨、都のHPで訂正された)

「小池知事は福祉保健局に対し、ゼロベースから事業を見直して、必要な活動に適正な予算を出す仕組みを構築し直すよう命じるべき。不正があるのだかないのだかわからないような曖昧な姿勢が、多くの都民に不信感を与えていることについて早く自覚すべきです」

 都の福祉保健局にも取材を申し込んだが、電話に出た職員が「後で折り返します」と言ったきり、1日経っても連絡がなかった。

 双方が譲らず正当性を主張しているため、収拾がつかない状況に陥っているColabo問題。そのはざまで、救いを求める少女たちが置き去りにされていることだけは間違いなさそうだ。

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