「男子生徒はコート着るな」ブラック校則を報道された高校は困惑 「生徒たちはコートを着て通学している」

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 7年ぶりの強烈な寒波が襲う鹿児島市の市街を、寒そうに歩く高校生たち。そんな写真とともに、

〈先生は着ているのに‥‥「コート禁止」校則なぜ?〉

 と報じたのは2月16日付の毎日新聞である。夕刊社会面の半分を使っての大報道だ。それによると、同紙が鹿児島市教育委員会に対し、市立高校の校則を情報公開請求したところ、コートなどの着用を認めないとする学校があったという。そのうちの一つに取材すると「昔からある校則なので、目的は分からない」との返事。最近問題になっている「ブラック校則」の存在を明らかにしたわけだが、たしかに寒空の下をコートなしで歩かせるのはちょっと酷だろう。

 鹿児島市には「玉龍」(共学)、「鹿児島商業」(男子校)、「鹿児島女子」と市立高校が3校ある。記事では名前を伏せているが、読む人が読めば、どこの高校か分かるようになっている。記事で校則を「女子はコート着用を認めるが、男子は原則不可とする内容だ」と報じられた玉龍高校に聞いてみた。

「昔からの校則なので正確に説明できないのですが、女子のみコート可としているのは、男子が学生服の下に厚着ができるのに対し、女子のセーラー服では難しかったからでしょう。しかし、実際のところ、男子生徒に校則を強制しているかというと、そうではありません。(記事にもあるように)冬場の外套着用を認めており、生徒たちはコートなどを着て通学している。毎年、生徒総会やPTAからの要望を聞き、校則が追い付いていなくてもより現実に即した措置を取っているわけです」(同校教頭)

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