サウジ遠征で一撃13億円! 人気薄の馬が大活躍の裏にスター調教師の存在

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世界最高の優勝賞金13億円

 2月25日、世界最高額の賞金で話題の競馬GI「サウジカップ」がサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われ、日本から招待出走したパンサラッサ(牡6歳)が見事優勝した。これまであまり知られていなかった馬が大金星をあげた裏には、スター調教師のある「戦略」があった。

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 見事勝利したパンサラッサだが、通算獲得賞金は5億円にのぼるものの、国内のGIレースは未勝利の馬だった。

 そのため知名度はそれほど高くなかったが、今回の優勝賞金「約13億6500万円」で一気に名が知れ渡った格好だ。

 国内の高額賞金レースは最高でも「ジャパンカップ」、「有馬記念」の5億円なので、このサウジカップの賞金がいかに“破格”であるかが分かるが、おかげで、パンサラッサは今回の賞金を加算して通算賞金18億円超えとなり、歴代賞金レースのTOP3に躍り出た。

オーナーは一口2万5千円の「一口馬主」

 しかも、北島三郎がオーナーの名馬「キタサンブラック」を抜き、獲得賞金1位のアーモンドアイ(19億円超)に次ぐ歴代2位に浮上する可能性すら出てきた。

 ちなみに、パンサラッサは「広尾サラブレッド倶楽部」が総額5千万円を、一口2万5千円でいわゆる「一口馬主」を募っていた“クラブ馬”なので、馬主たちは単純計算で一口あたり90万円の“配当金”を得られたことになる。(実際には諸経費が引かれるので、受取金額は半分ほどになるそう)

 では、国内GI未勝利馬がここまでの活躍を見せた背景には、どういった事情があるのか。

「まず特筆すべきは、今回のレースが砂のダートコースであったことですね」

 と解説するのは、パンサラッサをウオッチしてきた競馬ライターだ。

「実は、パンサラッサはデビューしてからこれまで、ずっと芝のレースばかり走ってきた。それをいきなりダートで使ったというのがすごいんです。そして、この大胆な挑戦をしたのが、パンサラッサの所属する矢作厩舎の主である、矢作芳人調教師です。無敗3冠馬として名高いコントレイルも矢作厩舎が管理する競走馬でした」

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