【奥多摩バラバラ殺人】南アフリカに17年逃げていた48歳被告が「被害男性の恋人」にやらせたトンデモないこと

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「彼女を共犯関係にすれば警察に行くこともない」

 古川さんを殺害する直前、犯人グループは、奥多摩にある松井の交際相手の関係先に集まった。グループの面々はカレーを食べたのち、今後の話し合いを持っている。このとき、古川さんは縛られたまま、外に停めたマジェスタのトランクに監禁されていた。

 話し合いの段階ですでに、「古川さんは殺害することが前提になっていた」と第2回公判で証言したのは、紙谷被告と同等の立ち位置で、一連の事件全てに関わった実行犯Tだ。彼は事件からまもなく逮捕され、懲役16年が確定して服役。すでに社会復帰している。

「ここでは特に彼女(古川さんの恋人)をどうするかっていう話をしました。このまま解放するわけにいかないので。紙谷は『一緒に殺すしかない』というような話をしていた。私自身は反対だったので、“彼女を共犯関係にすれば警察に行くこともない”と(言った)……。具体的には、一緒に古川さん殺害を手伝わせる。松井は『じゃあ説得任せるから』と言ってました」(Tの証言)

“古川さんの殺害”はすでに松井グループのなかで決まっていた。話し合いでは“恋人に殺害を手伝わせる”ことが決まったが、彼女を説得するも、当然ながら首を縦には振らない。同時進行で松井から“殺害場所を探す”ようにも指示され、Tと紙谷被告は、古川さんの恋人とカリーナに乗って移動。紙谷被告が見つけたキャンプ場にチェックインし、バンガローで説得を続けた。

 古川さんの交際女性はギリギリまで殺害を受け入れられなかったが、最終的には押し切られる格好となり、あとから到着した松井らを含むメンバーたちと、殺害行為を手伝ったという。

「首を絞めたが、古川さんはすぐには亡くならなかったため、首を押さえるものがないかと、周りを探しました。紙谷も探していて『なかなか見つかりませんね』と会話をした記憶があります。私が木片を見つけ、それを古川さんの首に当てて、上から彼女(古川さんの恋人)と一緒に押さえました」(同)

 こうして“共犯”に仕立て上げられた古川さんの交際女性も、紙谷被告らとともに南アフリカへと向かった。ひとつの事件が彼女の人生までも大きく変えたことになる。

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