1日大さじ2杯のお酢で驚異の健康効果が! 高血圧、糖尿病を劇的予防、飲むだけで運動と同じ効果?

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酢酸は加熱の影響を受けない

 お酢のメーカーなどは、1日の摂取量の目安を15ミリリットルとしているところも多く、慣れるまでは朝晩のお酢ドリンクだけでも問題ありません。でも、より確実な効果を得たいとか、効果を早く実感したいという人は残り15ミリリットルを料理から摂取してみて下さい。

 酢酸は加熱の影響を受けないため、火を通しても分解されたりすることはなく、その点でお酢は使いやすい調味料といえます。ただ、水と同じように蒸発するため、摂取量はその分を差し引いて考える必要があります。また、酢の物や酢豚などで調味液やタレを飲み干す人はあまりいないでしょうから、料理に使う場合、全量が体内に入るわけではないことにも留意しておかなければなりません。実際、ある研究では、酢の物に使われたお酢は3~4割が残されることが分かっています。

減塩効果も

 また、お酢には酸味を加えること以外にも、さまざまな調理上の効果があります。従って、細かいことは考えずに積極的にお酢を使ってみるのもいいでしょう。お酢の殺菌効果などは有名ですが、それだけでなく食材のカルシウムを溶出しやすくしたり、塩味を際立たせることによる減塩効果も期待できたりするのです。

 さらにお酢は取りすぎることによる健康被害がほとんどないことも分かっています。多量のお酢を希釈せずに飲用すると胃の粘膜が損傷しますが、そもそも多量のお酢を一気飲みできる人はいないので心配する必要はありません。むしろ薄めた適量のお酢は、胃の粘膜を刺激することでアルコールなど他の刺激物から胃を保護するケースがあるくらいです。

 身近で安価で、機能的。それでいて安全性も担保されている。そんな良いこと尽くめの調味料ですから、是非、皆さんも自分に合った“お酢ライフ”を試してみてはいかがでしょうか。

多山賢二(たやまけんじ)
広島修道大学元教授。1980年、山口大学大学院農学研究科修士課程を修了後、93年に東京大学で博士号取得。昨年、広島修道大学健康科学部教授を退任し、現在は県立広島大学などで非常勤講師を務める。酢酸菌やお酢の健康機能の研究に40年以上従事し、自身も約25年にわたってお酢の摂取を続けている。

週刊新潮 2023年2月16日号掲載

特別読物「実験で判明『高血圧』『糖尿病』『肥満』を劇的予防 “万能薬”『お酢』に科学的根拠」より

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