“松坂監督”招聘へ、西武のウラ工作 蜜月アピールのカゲに“黒歴史”と致命的欠陥

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西武には「貸しこそあれ借りはない」

 2021年限りで現役引退した元プロ野球投手の松坂大輔氏(42)が2月14日までの4日間、古巣西武の宮崎キャンプで臨時投手コーチを務めた。ブルペンでは大学出2年目で飛躍が期待される隅田知一郎投手らに求められた助言に丁寧に答えるなどし、改めて存在感を示した。西武球団関係者がほくそ笑む。「今回他球団に先んじて臨時コーチとして呼べたことはアドバンテージとなる。プロ入りも引退もうち。指導者としても西武からという路線を敷けたと思う」。【球人ニキ(たまんちゅにき)/野球ライター】

 松坂氏は14年オフ、MLBからのNPB復帰時にソフトバンク移籍を選択した。その後は西武時代にコーチだった森繁和監督が指揮を執る中日へ移籍。現役引退は西武だったものの、NPBでの選手生活は西武一筋ではなかった。

「ソフトバンク、中日移籍時のどちらも『なぜ西武は必死に取りにいかなかったのか』と一部ファンから反発の声が上がった。ソフトバンクに条件面で太刀打ちできず、(18年の)中日移籍時には戦力として計算できない状態だったとはいえ、1年目にカムバック賞に輝いて復活している。元いた選手を大事にする球団というイメージのためにも、松坂獲得へ向けたファイティングポーズは取るべきだったとの反省が球団フロントには残った」(同関係者)

 一方で松坂には西武を選ばずとも、批判を受ける筋合いがなかった。1999年に神奈川・横浜高からドラフト1位で西武入り。ルーキーイヤーに16勝するなど“松坂旋風”を巻き起こした。通算8年の在籍で沢村賞に輝き、チームを日本一に導くなど貢献度は絶大だった。極め付きは06年オフ、ポスティングシステムでレッドソックスに移籍した際に球団にもたらした約60億円の落札金である。

「松坂にしてみれば、西武に貸しこそあっても借りはないとの認識となる。移籍の際に西武が積極的でないなら他球団に行くという選択に悪びれることもなかったと思う」(遊軍記者)

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