ダルビッシュ「6年142億円契約」が“お値打ち”のワケ パ軍に「投資妙味」と大谷獲りの「現実味」

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総額では「バーランダー超え」

 米大リーグ、パドレスのダルビッシュ有投手(36)が同球団と2028年まで6年総額1億800万ドル(約142億円)で契約延長することで合意した。42歳まで現役が保証される、現代のMLBでは異例の長期契約とはいえ、単純に年俸換算すると1800万ドル(約24億円)となる。米大手マネジメント会社の代理人が「昨季の16勝まではいかなくても、契約期間の終盤までローテーションの一角を守っていれば、決して高くはない。ダルがメジャーで積み上げてきたものを振り返ると、それも十分にあり得ることで、ある意味、ダル以上にパドレスに有利な契約と言える」と分析するように、値頃感があるようだ。【木嶋昇(きじま・のぼる)/野球ジャーナリスト】

 MLBではこのオフ、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に3度輝いたジャスティン・バーランダー投手が39歳でメッツと2年総額8600万ドル(約111億8000万円/レートは当時、以下同)で契約を交わした。21年オフにはマックス・シャーザー投手が37歳にしてメッツと3年総額1億3000万ドル(約148億円)で合意した。

「ダルビッシュは総額でシャーザーに及ばなかったが、バーランダーは上回った。何よりも現時点で、両投手より長く現役でプレーできる権利を確保した。メジャーを代表するレジェンド級の投手たちと肩を並べた。これだけの長期契約なら(あと12勝の日米通算)200勝の達成は確実だし、無理せずに腰を据えて目指してもいける。変化球の習得やトレーニング法、栄養摂取など野球への探究心は卓越しており、こうしたことを楽しみつつキャリアを終えられる立場になった」(同代理人)

 実際にダルビッシュは2月10日に臨んだ記者会見で、金銭面より6年という契約期間に価値の高さを見出していた。「お金がどうというより一番、大事なのは子どもたちの教育環境や家族の居住環境を安定させること。そういう意味でも、この契約は自分たちにとって大きかった」と言い、MLBでも異例の36歳での長期契約には「いまだに信じられない部分がある。(会見も)みんなでドッキリを仕掛けていると思っている」とジョークを交えつつ本音が漏れた。

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