ダルビッシュ「6年142億円契約」が“お値打ち”のワケ パ軍に「投資妙味」と大谷獲りの「現実味」

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“晩年”にローテ守れば破格の安さ

 1億800万ドルの契約の内訳を見ていくと、パドレスがコストパフォーマンスに工夫を凝らした痕跡がうかがえる。ジョン・ヘイマン記者のツイッターによると、契約金600万ドル(約8億円)で、年俸は今季が2400万ドル(約32億円)、24年は1500万ドル(約20億円)、25年は2000万ドル(約26億円)、26年は1500万ドルで、27、28年はともに1400万ドル(約18億円)。

「球団のリスクヘッジがなされた契約。特に来季の年俸はもっと高くてもいいと思ったが、ここを抑えることで、力の衰えが予想される最後の数年の年俸をある程度の水準に維持した。40歳を過ぎて規定投球回をクリアし、2桁勝利でも挙げてくれるなら米経済のインフレを加味し、その時になれば破格に安かったとさえ思えるだろう。27年までの5年間でサイ・ヤング賞を取れば、最終年の年俸は100万ドル(約1億3000万円)アップする付帯条件があるが、そうなれば大車輪の活躍をしているということで、パドレスにとっては安いボーナスに過ぎない」(前出の代理人)

 ダルビッシュなら40歳を超え、ローテーションの一角を守る可能性は十分にある。

「球威が落ちてきても、既に直球だけに頼らないスタイルを確立している。全てが勝負球になる多彩な変化球を持ち、打者を抑える引き出しの多さはメジャーでもずばぬけている。本格派が晩年に惨めな姿をさらすようなこともないはず」(NPB球団元監督)

 故障の少なさも長期契約に至る一因になった。

「ダルは(15年に)トミー・ジョン手術を受けてからは大きな故障とは無縁だった。カブスに移籍当初はメンタル面の不調などで苦労していたが、パドレスはローテーションに穴を空ける可能性は低いとみたのだろう。昨季も160キロ近い速球を投げるなど、太く長く活躍できる下地は整っている」(同)

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