ダルビッシュ「6年142億円契約」が“お値打ち”のワケ パ軍に「投資妙味」と大谷獲りの「現実味」

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年俸抑制でぜいたく税対策

 復帰の可能性が限りなく萎んだ古巣・日本ハムのファンには残念だが、契約を満了してみれば“コスパ最高”となっているかもしれない。そうならないケースでも、ダルビッシュは「駄目になったら潔く(身を)引こうと思っている。一日一日が最後だという気持ちでやっていきたい」と会見で語った。

「残りの年俸を辞退するかどうかはともかく、メジャー枠を空けることでチームに迷惑をかけないようにするとの思いがあることもパドレスにとっては好都合ではないか」(前出の代理人)

 今回の契約をまとめたのは代理人のジョエル・ウルフ氏である。マイナーリーグでプレーした元野手で、千賀滉大投手のフリーエージェント(FA)移籍では、メッツとの5年総額7500万ドル(約100億円)の契約の仲立ちをした。千賀はダルビッシュより7歳下(契約当時)だが、年俸より契約年数を重視し、長くMLBでプレーできる環境を整えたことは共通している。

「(スコット・)ボラスは交渉で決裂を辞さない強硬姿勢が有名だが、ウルフは選手と球団との妥協点を巧みに探る。長期契約は選手が目先の結果にとらわれず、契約期間の中でトータルに結果を求めていける。たとえ不振のシーズンがあったとしても2、3年の契約より巻き返す機会が多く得られる。一方で球団は年俸を抑えれば、その分を他選手の年俸に回せるようになる。1シーズンのチームの年俸総額を基準に課されるかどうかが決まる“ぜいたく税”対策にもなる」(同)

 パドレスは今オフ、大谷翔平(エンゼルス)がFAになれば、ドジャース、メッツなどとともに獲得候補の球団に挙げられている。MLB史上最大規模の契約が予想される中、年俸を抑えてダルビッシュという優秀なローテーション投手を確保し、大谷獲りへ着々と準備を進めているように映る。

デイリー新潮編集部

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