Z世代が支持する「位置情報共有アプリ」 22歳の早大生が語る家も通学路も“24時間発信したい心理”とは

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 バイドゥ株式会社は今年1月、10~24歳の男女367人を対象に実施した「Z世代が選ぶトレンド寸前の『次世代SNS』」の調査結果を発表。第1位に選ばれたのは、「NauNau(ナウナウ)」という位置情報共有アプリだった。趣味でこのアプリを作ったという開発者の大学生に、そもそも位置情報共有アプリとは何なのか、なぜ若者に支持されるのかを聞いた。

最初は危険そうなイメージ

 NauNauをダウンロードすると、会員登録の際、位置情報の使用を“常に許可”に変更するよう求められる。すると地図上に自分のアイコンが表示され、スマホを持って移動すると、そのアイコンも移動する。

 さらに、会員同士がIDやQRコードを交換すると、互いの位置情報がリアルタイムで地図上に表示される。住んでいる場所や通学の経路など、行動の全てがアプリを見れば分かるようになるのだ。

 開発したのは早稲田大学創造理工学部3年生の片岡夏輝さん(22)だ。学業のかたわら趣味でアプリを開発している。

「これまでSNSなど20~30個のアプリを作りました。次に作るアプリは何がいいかを考えていたところ、ちょうど位置情報共有アプリ『Zenly(ゼンリー)』のサービスが終了すると発表され、その代わりになるアプリを作ろうということになったんです」

 フランスで開発されたZenlyは、今年2月3日にサービスが終了した。ユーザー数は4000万人とも言われ、昨年9月にサービス終了が予告されると、若者を中心とした利用者から悲痛な声が上がった。

 位置情報を共有するとプライバシーは脅かされないのか――利用したことがない人は当然、疑問に思うだろう。かつては片岡さんも位置情報共有アプリに懐疑的だったという。

「高校生の頃からZenlyのことは知っていましたが、自分では使ってみようとも思いませんでした。なんとなく危険そうというイメージで、位置情報を知られることにも不安があったからです」

“陽キャ”が使っている

 その後、大学の友人に勧められZenlyを使い始めると、そのイメージは変わった。

「今、誰が大学に来ているのか、すぐ分かるのが便利でしたね。例えば、『あいつとちょっと話したいな』と思っても、わざわざ連絡するまでもない時ってあるじゃないですか。そういう時に相手が今どこにいるのか分かるのがよかったです。家にいる時もたまにアプリを開いて、『テスト前だからみんな学校で集まって勉強してるんだな』とか、なんとなく見ることもありました」

 自分の行動が筒抜けになる不安はないのだろうか。

「『あまり仲良くない人にZenlyで繋がろうと言われると困る』という話を聞いたことがあるので、共有する相手次第だと思います。位置情報を共有すること自体に抵抗がある人もいて、自分の周りでは使っていないという友達も多かったです。大学では“陽キャ”な人が使っているアプリというイメージでしたね」

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