連続強盗犯「ルフィ」は死刑か無期懲役で、上部組織の実態を暴露するか?

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強盗殺人か強盗致死罪

「東京・狛江市で起きた強盗殺人事件では、90歳の住人女性が両手を結束バンドで縛られ、殺害されていました。その前に、指示役と実行役との間で、“老人とか気にせず殴れるか?”“タタキ(強盗)経験は?”などと、リアルなやり取りが交わされていたようです」(同)

 同じ指示役のものとされる昨年12月の広島市での事件では、経営者の男性が頭を殴られて意識不明のままだ。

「これらを前提にすると、この事件に関与した実行役はもちろん強盗殺人か強盗致死罪で、そして指示役も教唆をしたとして同等の罪で起訴される可能性があります」(同)

 強盗殺人と強盗致死の違いは殺意の有無だが、法定刑は「死刑または無期懲役」しかない。

「一方で殺人罪は、”死刑または無期懲役、もしくは5年以上の懲役”と定められています。有期刑があるということで、殺人罪と強盗殺人・強盗致死罪では刑罰の重さが相当に違うわけです。他人の所有物を無理やり奪おうとする行為は極めて野蛮だと捉えられ、抑止力に期待しているということでしょう」(同)

ルフィの良心に訴えかける

 指示役と実行犯、どちらの罪が重くなるのか。

「今回の強盗事件に関して言うと主従関係は明らかですから、実行役への刑は指示役よりも軽減される可能性はあると思います。ただ、経済的に困窮していて金品を奪うことを最初から目的にしている点、被害者宅や店舗に高額の財産があることをあらかじめ察知して押し入っている点もまた明らかなので、強盗殺人が成立する可能性もまた高いでしょうね。指示された方が無期懲役なら、現時点で1人の生命を奪い、もう1人が意識不明の重体となると実行役には死刑の求刑、そして死刑判決もあり得ます」(同)

 捜査当局はそれを上部組織の実態把握、そして摘発の起点にしたいと考えているフシがある。

「無期懲役は事実上、終身刑化していますから、“一生出られない”という点を突いて、“いっそのこと洗いざらい話してみないか”とアプローチすることはあるでしょう。渡邉容疑者らが上部組織に指示を受けて上納していた可能性もかなりあり、犯罪組織を一網打尽にするためには彼らの自供が喉から手が出るほど欲しい。司法取引的に罪状を大幅に軽くすることはできませんが、“自分たちだけが罪をかぶってたまるか”とか“死なばもろとも”という気持ちに訴えかけるということですね」(同)

 警察の威信をかけた捜査が始まる──。

デイリー新潮編集部

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