ウクライナ軍に供与される「レオパルト2」100両 対ロシア「T−90」を想定した驚きの設計思想とは

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100両でも充分

 2つ目の注目点は、防御力の強さだ。T−90の攻撃に耐えられるよう研究を重ねてきたという。

「速度の向上は装甲を薄くすれば簡単に実現できますが、レオパルト2は速いスピードと高い防御力の両立という困難な目標に挑み、成功を収めました。機動性を持ちながらT−90の砲弾や対戦車地雷にも耐えられる設計になっているのです」(同・菊池氏)

 レオパルト2がNATO軍の標準的な砲弾を使うことができるのも大きな利点だ。チャレンジャー2と違い、特別の補給路を構築する必要がない。

 ゼレンスキー大統領は300両を要求したが、まずは100両と発表された。台数の不足が気になるが、これも心配には及ばないという。

「もちろん300両あれば完璧でしょう。しかし、レオパルト2の持つ高性能を考えれば、100両でも劇的な戦果を上げられると考えています。まして、ロシア軍は疲弊し、未熟な徴集兵や囚人兵が最前線に投入されています。レオパルト2と歩兵戦闘車を組み合わせたウクライナ軍の猛攻に持ちこたえられるとは思えません」(同・菊池氏)

 NATO側がこれほど強い戦車を供与するということは、同時に核戦争の懸念が減少していることも意味するという。

「残念ながら詳細は分かりませんが、NATO加盟国は『ロシアは核攻撃を行わない』という確証を持っているからこそ、レオパルト2の供与に踏み切ったのは間違いないと言えます」(同・菊池氏)

デイリー新潮編集部

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