巧妙化する「SNSいじめ」子どもを被害者にも加害者にもしない方法 証拠の残し方、フィルタリングの使い方は?

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親が利用規約をチェック

 もう一つ、私がお勧めしているのは、例えばアプリ一つインストールするにしても、親が子どもと一緒になってそのアプリの利用規約を最後まで読むことです。

 学校ではやっているから、みんなやっているからこのアプリ入れていい?と聞かれたとき、そのアプリが有害なものか、危険性があるかどうかを判断する知識や経験は、その時点では残念ながら親にはありません。

 しかし、普段は読み飛ばして承諾している利用規約を、頭からお尻までしっかり読んでみると、そのアプリで何ができて、子どもたちがどんな使い方をしそうか、外部との接触や交流の機能はあるのか、課金の有無などの判断材料が入手できます。子ども向けのアプリやゲームなら、子どもにもわかる言葉で利用規約が示されているものも多く、これを子どもと一緒に読むことで、子ども自身もリテラシーが身に付くという効果もあります。

 またフィルタリングは、見てもいいコンテンツだけを許可するホワイトリスト方式と、見てはいけないコンテンツを制限するブラックリスト方式がありますが、いずれの場合も機能的に制限するだけなので、知識と技術を持った子どもが勝手に解除することも考えられます。そのときに、親と一緒に利用規約を読んで、よく理解して利用するかどうかを話し合った経験が生きるわけです。

成績表を盗み見する事例も

 私が親御さんによくお伝えするのは、お店に監視カメラがなくても、たとえ店員がいなくても、万引をしない、万引は犯罪だからやりませんという子どもを育てましょうということです。バレなければいい、とがめられなければ構わないという考えではなくて、いけないことはいけないという価値観を一緒に育てていけたら、監視の目がないところでも必要以上に心配することはありません。

 ICTカウンセラーという立場では、学校教育にもネット世代、デジタルネイティブの子どもたちに対応する教育の推進が急務だと訴え続けています。今の先生たちは、ICT化に関しては業者に任せきりで、子どもたちの方がよほど詳しいというのが現状です。学校から支給された制限がかかったiPadを使って、本来できないはずのゲームやYouTubeにアクセスするなんて朝飯前、先生の端末に保存されている成績表を盗み見したなんて事例もすでに出ています。

 ネットの知識を深めることも重要ですが、それ以上に重要なのが、学校が本来行うべき教育を徹底することです。学校は勉強を教わるだけでなく、人と人のつながり、信頼できる人とそうでない人を見分ける力、人の気持ちを感じ取る力を身に付け、学ぶ場であるべきです。

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