「不快な反応はわざわざ見ない」三浦瑠麗流SNSとの付き合い方とは

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瑠麗さんに訊け――第3回(全5回)

著書『私の考え』の刊行を記念して、素朴な疑問や人生の悩みを国際政治学者の三浦瑠麗さんにぶつけてみる本企画(瑠麗さんに訊け)、第3回目はこれまでと少し路線を変えて、彼女自身の人生や生活に関する素朴な疑問に答えてもらった。

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「ドリフもひょうきん族も知らなかった」

Q:仕事と自宅の往復ばかりの毎日です。しかもこのコロナ自粛の中では、一人暮らしのマンションに帰ってきたらテレビをつけるか、動画配信サービスで映画を見るか、アニメを見るかくらいしかやることがありません。瑠麗さんはほとんどテレビなどをご覧にならないとのことでしたが、心から笑ったエンターテインメントはどのようなものがありますか。また、心から泣けたものがあったら教えてください。
(30代・女性・会社員)

A:そうなんですよ……もともとテレビを見る習慣がないのです。ドリフもひょうきん族も存在自体を知らなくて。大きくなってから勉強のためにいろいろなものを見たりはしましたけど、だから日本のお笑いも好きですし、イギリスのコメディも好きですけど……心から笑ったエンターテインメント……うーん。ゲラゲラ笑う、みたいなことはあまりないですね。映画を見てクスッと笑うとか、そういうのはありますけど……。

 エンターテインメントに接するときというのは、本を読むときに近いです。笑いたい、とか、泣きたい、とか思って接するのではなく、その作品に連れて行かれる先に、笑いなり涙なりがあるのなら、それを楽しむというような感じでしょうか。

 そういう意味では、哀愁の漂う笑いのようなものが好みかもしれません。表面では笑っているんだけれど、その笑いが人生の悲哀や哀感を伝えてくるような。あ、あとは、フランソワ・オゾンみたいに毒のある映画も好きですね。

 ただ、恋愛もそうなんですけど、年を取るとだんだんと恬淡としていくというか、没入して、全身全霊を懸けて、みたいな感じはエンターテインメントに接する際も減ってきているかもしれない。

 昔好きだった映画を娘と見返したりするんですよね。このシーンが好きだった、あのシーンが好きだったと思いながら。この前見たのは、ジュリア・ロバーツが出てくる「ベスト・フレンズ・ウェディング」というコメディ映画。キャリアウーマン役のジュリア・ロバーツが、昔付き合っていた男友達が結婚すると聞いて、逆に闘志を奮い立たせて彼を奪い返しに行くっていう話なんです。ゲイの親友役のルパート・エヴェレットが歌う場面が好きだった。ドタバタ劇で、今観てもおもしろいんですけど、でも、当時の彩りはもう戻ってこない。娘は大興奮でしたけどね。

 私はそれを脇で一緒に座って見ているのが幸せなんです。

SNSの炎上は「狭い世界の出来事」

Q:SNSで知らない人から辛辣な言葉を投げかけられ困っています。自分としては、日々感じたことや、出会った場面を素直な気持ちでアップしているだけなのですが……。三浦さんもさまざまなコメントが寄せられると思いますが、ご自身のネットでの評判やツイッターへのコメントなどはどのくらいご覧になっていますか。また、私のように知らない人に辛辣な言葉を投げかけられた場合にはどのように対処していますか? それらでストレスを抱えないようにするためにはどうされておられるのでしょう。
(40代・女性・コンサルタント)

A:そもそもSNSの反応をあまりつぶさに見てないんですよね。ツイッターでは本人にとって不快なものは出てきにくくなっています。認証マークがついているというのもあるかもしれません。例えば暴力的なものだったり、本人が見てイヤな思いをするであろうものなどは排除される仕組みになっているようですね。ところが、親しい人からメンションとか引用リツイートとかを飛ばされても、あまり本人のところには通知が来なくなっていて……むしろ困ってるんです。私が返事しなかったら気づかなかったんだと思ってください(笑)。

 ブロックはほぼしないですけど、ミュートしているものもあります。悪意しか感じられないツイートや憎悪の塊みたいなものを目にしてわざわざ気分を害する必要はないから。道端の犬の糞とか、タバコの吸い殻とか、そういうものを拾って怒ったり悲しんだりして捨ててあげる人もいるんでしょうけれど、不快になるものをわざわざ見なくてもいいと思うんですよね。ただ、私の場合、それでも日々出くわしてしまうので完全には避けられません。どちらかというと、これまでそうした中傷に多く触れすぎて、むしろ鈍くなっているのかもしれません。

 もしもネットで炎上したときは、現実世界の友人とごはんするのがいいと思います。自分に見えている狭い炎上の世界が、世間的にはぜんぜん知られていないちっちゃな範囲で起きていることが自覚できますから。

 それとネットの反応とか評判は、女性であるということを加味して、あるいは差し引いて受け止めた方がいいこともままありますね。女性だというだけでいきなり説教されたり突撃されることもありますしね。

 一番大事なのは、揺らがないことだと思います。慎ましさを強いるのは、最も効率的に女性を支配できるやり方なんです。そういう目に遭った女性は、別の女性に同じ運命を強いることもある。女性が女性の味方になるとも限らない。その連鎖反応で集団全体が統治されるのです――。そういった圧力に折れて生きるか、従わない道を選ぶのかはあなた次第です。

 たしかに女性の周りに張りめぐらされた見えない電気網に触れると、ビリッとはします。私は多少やけどを負ってでも電気網を引きちぎってしまったから、随分と生きやすくなりましたねえ。

パジャマは着ません

Q:なぜいつもノースリーブ姿なのですか?
(50代・男性・会社員)

A:そんなに思うほどノースリーブは着てないですよ。半袖が多いかな。むしろこちらからすると、ジャケットを着ている人は暑くないのかなと思いますね。とりわけスタジオの強烈なライトのもとで、よく我慢されています。

 文化や習慣の違いって面白いですねえ。皆さん本当に長袖がお好きで…。

 あと理解できないのはパジャマという存在ですね。うっとうしいし、暑いし。まず着ません。

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三浦瑠麗・著『私の考え』
「人生は一回限り。人間、迷ったら本音を言うしかない」――常に冷静に、建設的な議論を求めるスタンスで言論活動を続けてきた著者が、思うままに本音を語る。「“リベラル”にも女性憎悪は潜んでいる」「『性暴力疑惑』を報じる価値」「政治家が浮気してもいい」「怖がっているだけでは戦争はわからない」「恋は本当に美しいものだから」etc.政治について、孤独について、人生について、誠実に書きとめた思索の軌跡。

三浦瑠麗(みうら・るり)
1980(昭和55)年神奈川県生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。国際政治学者として各メディアで活躍する。株式会社山猫総合研究所代表。『シビリアンの戦争』『21世紀の戦争と平和』『孤独の意味も、女であることの味わいも』など、著書多数

デイリー新潮編集部

2020年5月21日掲載

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