「NHK会長」は「軽いみこし」になれずに失脚 次期会長にパワポ資料で実績アピールの理事も

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やる気満々の新会長

 NHKの会長人事はその性格上、「政治銘柄」とならざるを得ないわけだが、難点は「なり手がなかなかいないこと」だ。

「会長の年収は3000万円程度。企業のトップでもっと稼いでいる人はたくさんいて、彼らにとって国会対応など面倒なことだらけの会長ポストは何の魅力もないかもしれません。だから外部からやってくる場合には、お金より名誉を感じるとか、元の組織で一番になれなかったタイプが少なくないですね」(同)

 次期会長の稲葉氏は、日銀ではトップになれなかったタイプということになる。前評判はどうか。

「やる気がすごいと聞いていて、少し心配になっています(笑)。前田会長と同じように、3年という短い期間で成果を出そうとすると“民間ではこうだから”などとアレコレいじったり気に入らない理事を飛ばしたりしてしまうものですが、それだと2期目から遠のいてしまいがちなんですよね」(同)

 急がば回れで、とりあえずしばらくはソフト路線で行くのが正解ということか。ちなみに新会長は、理事それぞれと個別に面談し、「誰を残すか」の検討をすでに始めたという。一方で理事の方はサバイブに必死で、「パワポ資料を作って実績をアピールした人もいたとか(笑)」(同)。

 前田会長ががっくり肩を落としそうな、「組織の変わらなさ」具合が垣間見えるエピソードだ。

デイリー新潮編集部

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