日本代表が抱える「2023年問題」とは 森保監督にはデュッセルドルフに移住を勧める理由
乏しい話題性
これでは欧州の最先端のサッカーを肌感覚で体験することができないだけでなく、興行的にも“苦戦”を強いられ、観客動員数が右肩下がりなのは当然と言える。
この点に関して反町康治JFA技術委員長は、「なるべく強い相手とやることで成果と課題が出る。なるべく強い相手とマッチメイクしたい」と理想を述べながらも、別のプランも持っているようだ。それは“国内組”の底上げである。
3月と6月の4試合はいずれも親善試合のため、無理をして“海外組”を呼ぶ必要はない。そこで「(W杯後)次のフェーズ(段階)へとやっていかないといけない。フェーズが変わったので、Jリーグから多くの選手が選ばれるかもしれない。国内の活動を優先して、国内でいい準備をしていきたい」と、国内組の選手発掘を示唆した。
長友佑都と酒井宏樹の後継者探しと、大型CBの発掘は急務である。さらに、パリ五輪世代の強化試合に海外組は招集できないため、国内組をベースにチーム作りを進めなければならない。
こうした「台所事情」もあって、今年上半期のサムライブルーは話題性が乏しくなりそうだ。
“空白の1年”問題
活動が本格化するのは秋になってからで、9月上旬には海外遠征が予定されている。ここで海外組が始動し、10月は12日(デンカビッグスワンスタジアム)と17日(ノエビアスタジアム神戸)に国際親善試合を消化し、11月16日からスタートするW杯アジア2次予選兼アジアカップ予選(パナソニックスタジアム吹田ほか)に臨む予定だ。
ただ、W杯予選といってもアジア2次予選なので、突破はまず間違いない。こうして今年のカレンダーを見ると、23年はサムライブルーにとって「空白の1年」になる可能性が高いだろう。
そこで次の目標となるのは、来年1月にカタールで開催が予定されているアジアカップの「覇権奪回」ということになる。そのため12月には、高円宮記念JFA夢フィールドでのキャンプが予定されている。
本来ならアジアカップは、森保監督にとって“中間テスト”的な位置づけにすべきである。しかし今年1年は、いつ「フルメンバー」の日本代表が強化試合を実施するのか現状では不透明だ。
このためアジアカップは、結果を問われつつも、3年後のW杯を目指すチームの強化のスタートになる可能性が高い。
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