「家探しは近所のコンビニのゴミ箱を見ろ!」マシンガンズ滝沢が語る“清掃員はつらいよ”

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有料化でコンビニのレジ袋辞退率が急増

滝沢:そう言えば、レジ袋の有料化(2020年7月開始)が始まって2年以上が経ちましたけど、それ以前はコンビニ側が負担してたんですか?

渡辺:レジ袋はオーナー負担なので、有料化以前は月5万円くらい経費でかかっていました。でも、有料レジ袋になって1年後には、レジ袋の辞退率が2割程度から7割以上に急増し、現在は「1万5,000円くらいのプラス」になっている店舗もあります。

滝沢:プラスですか!?

渡辺:経費が減り、かつ有料化されたので、わずかながら店舗の利益になっているんですね。

滝沢:今って、すべてのコンビニが有料レジ袋なんですよね?

渡辺:北海道のセイコーマートは無料レジ袋を続けています。バイオマス素材を30%配合していて、有料レジ袋の対象外という扱いです。

滝沢:なるほど、そういう方法もあるんですね。最近は「土に還る」と謳われているゴミ袋も増えているようですが、条件次第でかなり年数がかかるんですけどね……。

渡辺:セイコーマートは顧客満足度の非常に高いコンビニですが、環境面で言うならば、無料レジ袋を続けているのは賛成しづらいです。しばしば「プラスチックゴミに占めるレジ袋の割合は微々たるものだから、脱プラとしての効果は低い」といった反論も耳にしますが、日本人の行動変容において非常に大事だと思うんですよ。

滝沢:仰るとおりだと思います。

渡辺:まずは脱プラに向けて国民の意識を変えることが大事。消費者にとって身近な存在であるコンビニが足並みを揃えて社会問題に取り組むことによって、大きな影響を与えられるはずなんです。

滝沢:無料サービスに慣れすぎてしまって、簡単に捨てている感はあります。プラスチックのスプーンやフォークも有料になれば、1回で捨てずに家で洗って何回か使いますよ。

渡辺:次にコンビニで有料化されるとしたら、スプーンやストローなど、その辺りの可能性が高いでしょうね。

コロナ禍で芽生えたゴミ清掃員に対する感謝

渡辺:ゴミ収集の仕事中、コンビニを利用することはありますか?

滝沢:食事を買ったり、帰宅時に寄ったりすることが多いです。ゴミ清掃員はニオイの問題で飲食店を利用できないので、コンビニや弁当屋は重宝しています。

渡辺:なるほど、ニオイの問題か……。

滝沢:僕がゴミ清掃員を始めたのが10年前ですが、まだ当時は仕事中に差別的な言葉をかけられることもありました。ゴミ収集中、うしろの車から「クセェんだから、早くどけよ!」的な。あとは、ギリギリでゴミを捨てに来る際、僕たちに向かって乱暴にゴミ袋を放っていく人もいます。

渡辺:コンビニ店員も下に見られることが多い仕事です。ストレスのはけ口かのように、乱暴な言葉を吐いてくるお客さんがいますからね。僕は今でも現場を知るため、年に10回くらいコンビニで働いていますが、その際は「実習生」のバッジを付けているんですよ。少しレジ対応が遅くなってしまうと、「早くしろよ、リストラじじい」的な反応がね(笑)。

滝沢:それはキツイっすよね。ゴミ清掃員に対する印象は、コロナ禍でだいぶ変わったかもしれません。当初「清掃崩壊が起きるかも」という話題が出たじゃないですか。1週間ゴミが回収されなければ、町はゴミだらけになってしまうわけで、そうした意識が働いたのか「いつもありがとうね」といわれる機会が増えました。

渡辺:肌感だと、厳しい言動は年配の人が多くないですか?

滝沢:そうですね。悪気はないと思うんですけどね。

渡辺:そう、悪気はないんだよね。育ってきた時代で形成された性格や習慣って、なかなか変えられない。

滝沢:昔の旅行雑誌で「ゴミが出たら現地に埋めましょう」って書かれていたことがあったのを思い出しました(笑)。時代背景でゴミに対する意識も全然違いますね。

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