桑田佳祐は三波春夫になりきって抗議殺到、長渕剛はベルリンからタコ発言…NHK紅白「6つのトラブル」の真実

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1985年(第36回)「吉川晃司がステージに撒いたシャンパンでシブがき隊のフックンがスッテンコロリン事件」

 白組トップバッターとして「にくまれそうなNEWフェイス」を歌ったのは初出場の吉川晃司(57)。アイドル歌手からロック歌手に転身を遂げようとしている時期だった。

 手にはシャンパンを持ち、ステージ上で飲んだ。この年の8月に晴れて成人したからだ。シャンパンはステージにも振りかけられた。

 歌が終わると、弾いていたギターを叩き壊した。さらに壊したギターに火を付けた。ロック歌手らしいパフォーマンスだったが、NHK側は事前に知らされてなかったので目を丸くした。

 燃やされたギターの撤収にやや時間がかかったことから、次に「デビュー」を歌うはずだった紅組・河合奈保子(59)の登場がやや遅れた。

 余波は続いた。さらに次の出場者であるシブがき隊が踊りながら「スシ食いねェ!」を歌っていたところ、ステージにシャンパンが残っていたため、フックンこと布川敏和(57)が足を滑らせ、2度コケた。

 2度目は見事に尻もちを付き、まさにスッテンコロリン。その様子が全国に流れた。晴れ舞台で恥をかかされた布川はさぞ怒ったかと思いきや、そんなことはなかった。布川と吉川は同じ1965年8月生まれということもあり、大の仲良しだったのである。

 筆者が布川を取材した際も吉川への怒りや恨みは一言も口にしていない。むしろ親しい吉川のパフォーマンスの影響で自分が転んだことを喜んでいた。

 この件によって吉川はNHKを出入り禁止になったという説が流れたが、やはり紅白伝説である。吉川は苦言すら呈されていない。紅白を盛り上げることが目的だったことをNHKも理解した。

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