「ゴーン」の家政婦は見た! 突然のレバノン逃亡、直前に見せていた一家の様子

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私物はいまも出品中

 残されたけいこさんに待っていたのは、主が去った家のあと片付けだった。コレクションのように大量にあった絨毯やワイン、ゴーンが自室に飾っていた十字架は持ち出されていたが、家族の写真、そして家具や家電は残されたままだった。

「どうすればいいかカルロスに連絡をとったら『処分して、欲しいものがあったら持ってっていいよ』と言ってくれた。大家さんも早く出て行ってほしいというので、年明け(2020年)1月半ばに、友人たちを呼んで、持って行ってもらいました。それをまた伝えたら『できるだけ無料であげないで売りなさい』と。仕事がなくなった私を案じてくれたんですね。だから絨毯や棚、英語の本は売りました。3台あった自転車も売ろうと思ったのですが、防犯登録がしてあってそのままでは売れない。そしたらカルロスがわざわざ高野弁護士(※高野隆弁護士 。ゴーンの代理人だった)に連絡してくれて、登録を解除してくれました。1台をカルロスのフィリピン人運転手に、1台を売って、もう1台はわたしがしばらくウーバーイーツの配達に使いました」

 ほか「Netflixのアカウントが紐づけてあって、カルロスとマヤのアイコンが表示されているテレビ」など、けいこさんがもらいうけ、自分で使っているものもある。

 実はけいこさん、ゴーンの私物を売るのにはオークションサイトを利用していた。

「売れずにいまだ出品中のものもあるんです……」

 PayPayフリマにある〈カルロスゴーン 王族御用達 ペーパーナイフ クリストフル Christofle レターオープナー ペーパーナイフ アンティーク銀器〉というのがそれで、値段は9,800円。商品説明欄には、

〈ご本人に直接貰いました。売って良いと許可も貰ってます。20年以上も前の老舗ペーパーナイフ専門店のです。六本木ヒルズにお店ございます。磨いたら綺麗になるかもです。
Carlos Ghosn の CGのイニシャル彫りとカルロスゴーンビシャラの Bも入ってます。
捕まるまで毎日デスクにあったので今も成功されてますのでビジネス成功祈願にでもいかがでしょうか?〉

 とある。この説明を信じる人は、そう多くはないだろう……。

 いつかレバノンへ行き、ゴーンや家族たちと再会できることを、けいこさんは心待ちにしているそうだ。

「カルロスは、愛用していた、娘ちゃんから贈られたというくまのカップを日本に忘れていきました。次会う時にこのカップは持っていきたいですね。毎日が新鮮で、みんな親切で……カルロスの元で働いていた時期が、わたしの人生でいちばん幸せだったと思っています」

デイリー新潮編集部

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