逃亡から3年「ゴーン」の家政婦は見た! ボロ靴下を縫って履いた「日産会長」の素顔

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人間カルロス・ゴーン

 もっとも経営者時代のゴーンは、朝7時から夜11時まで仕事をすることから“セブンイレブン”と日産社内で呼ばれるほどの超多忙。フランスと頻繁に行き来し、日本にいるのは月に一度、一週間ほどだった。11時~16時の勤務が基本だったけいこさんとは、当時、あまり顔を合わせる機会がなかった。

「〈Dear Keiko san〉と私宛のメモで指示があり、それでやりとりをしていました。スーツケースに入れても皴にならないようにシャツを畳んでおいて、といった内容ですね。当時は1週間の滞在中、わたしが3日ほど家を訪れていたでしょうか。家政婦をしてはじめて、カルロスが超のつく倹約家であると知りました。ほつれた靴下は縫って履いていましたし、少し太ったからと、シャツの襟のボタンを付け替えて緩めるのを頼まれたりもありましたね。YouTubeで『ためしてガッテン』の『絶対にとれないボタン付け』の動画を観て研究しましたよ。服のブランドでは、英トーマスピンクのシャツをお召しになったり、カルバン・クラインの黒・白・グレーのボクサーパンツを愛用したりはありましたが、ユニクロの綿トランクスも履いてましたし、やはりユニクロのTシャツを50枚近く持っていたり。あまりブランドにはこだわりがなかった印象です」

 2016年に結婚したキャロル夫人とは、約80億円をかけヴェルサイユ宮殿で結婚式を挙げたと伝えられる。問われている日産資金の私的流用は約11億円。そんなゴーンの意外な一面といえるだろうか。

 けいこさんは仕事のための記録として、家の内部を写真に収めていた。自身が表紙を飾った「日経ビジネス」や「フォーブス」がほこらしげに額装されていたり、おそらく読めないであろう「マンガで経済がよく分かる!カルロス・ゴーン物語」が本棚に収められていたりと、人間臭さを感じさせる。なにより目を引くのは、離れて暮らす家族たちとの写真の多さだ。

「カルロスはとにかく家族ラブ。当時、カルロスが不在の家にも、次女のナディーンが何度も来日して泊まってきましたし、長女のキャロラインも彼氏と来ていました。いまの旦那さんですね。この子たちも本当に良い子たちで、『眠くなったから何時に起こしてね』というのを、上からでなく茶目っ気たっぷりで“お願い”してきたりして。三女のマヤは私が握ったツナマヨおにぎりを『人生で食べたおにぎりの中でいちばんおいしい』とほめてくれたりもしました。彼女たちもまたパパラブなんです。息子さんのアンソニーさんにはお目にかかったことがありませんが、やっぱり同じくパパラブだそう」

 けいこさんが撮った写真には、娘から送られた〈HAPPY 60 BIRTHDAY PICOPAP(※娘が使うゴーンの愛称)〉という手書きの紙が飾られているのも確認できた。

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