「愛媛農業アイドル自殺訴訟」勝訴した社長が語る「テレビ報道」への疑問 「なぜ『ミヤネ屋』は判決を報道しないのか」

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遺族の言い分を検証すらせず垂れ流した「ミヤネ屋」

 提訴時の「ミヤネ屋」の録画を取り寄せて視聴した。提訴会見があった18年10月11日は約35分、翌12日は佐々木氏側の反論も交えたうえで約1時間もの大きな尺で放送していた。

 特に11日の報道は遺族側の主張を検証すらせず、そのまま垂れ流したと言える内容だった。〈遺族激白“パワハラ実態”自殺前日“やりとり”詳細〉〈所属事務所からの“過重労働”〉といったおどろおどろしいテロップが画面を覆う。

 佐々木氏が記憶していた“演出”場面も確認できた。画面左側に佐々木氏を彷彿とさせる男性の影と右側にはステージで歌う萌景さん。確かにドスの効いた声で「事務所を辞めるのであれば1億円支払え」と語るナレーションが流れていた。

 スタジオで司会の宮根誠司氏が、パネラーに「タレントに対するリスペクトがない」と語りかける。「事務所の問題は大きかったと考えざるを得ない」「パワハラ認定される可能性は相当高い」とコメントする芸能人や専門家たち。

いつでも取材を受けます

 初報については速報だったこともあり、致し方ないところもあっただろう。だが、第1回口頭弁論が行われた19年2月18日にも、「ミヤネ屋」はこの訴訟を取り上げている。3度も報じておきながら、なぜ結末を報じないのか。

 佐々木氏はその思いをぶつけるべく、控訴審判決後、司法クラブで会見を開いた。

「この場で名指しすることはしませんが、心当たりのあるメディアにおかれましては、弊社と愛の葉Girls、何よりも亡くなった萌景さんの名誉を回復するための報道を行っていただきたく、お願い申し上げます」

 佐々木氏が報道陣の前に立ったのは4年ぶりのことである。なぜこのタイミングで会見を開いたのか。

「本当はもっと早く会見を開いて、無実を訴えたかった。でも、また事実が捻じ曲げられるのではないかというトラウマがありました。報道の影響で、愛の葉Girlsは解散になりました。地域の発展のために頑張っていた彼女たちのためにも、亡くなった萌景さんのためにもテレビには裁判の結末も含めてきちんと報道して欲しいのです」

■相談窓口

・日本いのちの電話連盟
電話 0570・783・556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/

・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
電話 0120-279-338(24時間対応。岩手県・宮城県・福島県からは末尾が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570・064・556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html

・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
https://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php

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