「通行人の前でビンタ」「坊主を強制され…」 落語界のパワハラを弟子が告発で業界は変わるのか

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 いまやセクハラ、パワハラ関連のニュースなど珍しくもないが、それは話芸の世界も同じこと。最近まで二つ目として活動していた落語家の元・三遊亭天歌(40)=本名・井上雄策=が、かつての師匠・三遊亭圓歌(63)を長年にわたるパワハラで告発したのである。

「入門から数カ月後、些細なミスをしたら“坊主にしなさい。さもなければ破門です”と言い渡されたのが最初のパワハラでした。その後もミスをするたびに“破門が嫌なら坊主”と強制され続けたんです」

「大声で怒鳴られるのは本当に辛かった」

 井上氏が斯界入りしたのは2009年、27歳の時。以来、指導の範疇を超えた怒鳴り声に苦しんだ。

「大声で怒鳴られるのは本当に辛かった。師匠は怒りが収まらないと手を出したり、長時間正座させたり、不要な罰を与えてきました」

 井上氏は10年以上も師匠の蛮行に耐え続けた。が、二つ目に昇進した17年、周囲に「他の一門に移りたい」と相談したことが圓歌の知るところとなったという。

「謝罪のために呼び出され、街中で通行人もいるのに激しいビンタを食らいました。それを見た通りすがりの外国人が止めに入り、圓歌が立ち去ってからは通報を受けて警察官がやって来ました。その時に初めて、師匠からの暴力は、世間的には犯罪なんだと理解できたのです」

 以来、井上氏は自衛のために圓歌との会話を録音するようになったという。

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