日本国際警察協会、前会長の“着服”疑惑を理事が告発 震災関連の義捐金はどこに消えた?

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逡巡しながらも公に

 言うまでもなく、会計担当理事が「闇口座」ではないかと思い至るまでに時間は要さなかった。とはいえ、

「不透明な入出金は中村会長時代のものであり、そんな相手に弓を引けば会計理事の団体内での立場が危うくなるのは目に見えていました。それでも彼は、見て見ぬふりをすれば自身が“共犯”になってしまうと考え、逡巡しながらも仲間と相談した上でことを公にする意を固めたのです」(同)

 昨年11月には組織の頂点を極めた金高会長と面談し、つぶさに事案を報告。警部補で退職したというこの理事が“具申”するまでには想像を絶する煩悶があっただろうが、会長は「被災地への寄付は素晴らしいこと」などと、にべもない対応だったという。

「必要なら被害届を」

 が、すでに腹をくくっていた理事は起死回生の一手に打って出る。今年4月、会長以下が居並ぶ理事会の場で、抜き打ちで本件を告発したのだった。以下は、本誌(「週刊新潮」)が入手した当日のやりとりである。

(会計)理事 これは完全に闇口座になると思います。(中略)共犯になることは私はできないから、皆さんのご判断を仰ぎます。必要なら被害届を出すということもあり得るでしょう。

(金高)会長 被害届とは何ですか?

理事 横領になるかということです。

会長 いやいや、会に来たお金を会のために使っていて、横領には……。

理事 会のために使った証拠は何もないです。

会長 横領というには着服の意思がないと……。

中村名誉会長 横領だなんて失礼な。そんなことはね、絶対にやりません――。

 怒号が飛び交う中、当の名誉会長は躍起になって否定。その後、金高会長の指示で内部調査が行われたものの、

「調査結果は、支出を裏付ける領収書類が存在しないにもかかわらず、過去の会報誌に寄付の内訳が報告されていたことなどを根拠に問題なしとするもので、まさに“お手盛り”と言わざるを得ない内容でした」(同)

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