W杯、日本戦は驚異の視聴率 午前0時でも40代男性の4人に1人以上が観ていた

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時代と感動を共有する生放送

 テレビ史上、世帯視聴率ベスト5も全て生放送なのだ。

(1)NHK「第14回NHK紅白歌合戦」(1963年)81.4%
(2)同「東京オリンピック(女子バレー・日本×ソ連ほか)」(1964年)66.8%
(3)フジ「日韓サッカーW杯 日本×ロシア」(2002年)66.1%
(4)日本テレビ「プロレス 力道山×デストロイヤー」(1963年)64.0%
(5)フジ「ボクシング世界バンタム級タイトルマッチ ファイティング原田×エデル・ジョフレ」(1966年)63.7%。

 昭和期とは1世帯あたりの人数が全く違い、また高齢者のいる家が激増したので、過去の世帯視聴率と現在の数字を単純比較することは出来ないが、生放送がよく観られていたのは確か。

 現場から生放送された「連合赤軍あさま山荘事件」(1972年)は各局合わせた世帯視聴率が90%を超えた。これも視聴者が無意識のうちに時代を共有しようとしたから、ケタ違いの数字に達したのだろう。

 W杯は日本人が世界と時間を共有する好機。それを採算が合わないからといって獲らなかった局の判断は正しかったのか? W杯も含め、生放送を軽視したら、自ら武器を捨てることになるのではないか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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