【鎌倉殿】公暁役の寛一郎は親の七光りではなかった…役者になると告げた時の、父親・佐藤浩市の意外なリアクション

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『グランメゾン東京』での好演

 ドラマ出演は18年3月のテレビ東京系単発ドラマ『ミッドナイト・ジャーナル 消えた誘拐犯を追え! 七年目の真実』など11本があるが、代表作と問われればゴールデンでの連ドラ初レギュラー作『グランメゾン東京』(TBS系、19年10月クール)を挙げたい。木村拓哉演じる天才フレンチシェフ・尾花夏樹の転落と復活を描いた物語で、寛一郎が演じたのは尾花がスーシェフを務めるフレンチレストラン“グランメゾン東京”のアルバイト従業員・芹田公一。シェフとしての腕前は低く、なかなか料理を任されないことに葛藤していた芹田は、第6話でライバル店のオーナーから内部情報を流すように依頼され、お金を受け取ってしまう。賄い料理を酷評されたり、自身が勝手に行なった鰆のさばきを尾花に怒られたことで、店を辞める。

 紆余曲折のすえ、今度は客として来店した芹田は、魚料理の味に疑問を感じる。実は彼自身がさばいた鰆が使われていたのだ。扱い方を間違えていたと尾花に聞かされ、一連のスパイ行為を謝罪。再度雇ってもらうように土下座し復帰した。この一連の演技がとにかく脱帽ものだった。特に最後にみせた、今までの努力を尾花に認められた喜びと、仕込みを任された瞬間の演技は秀逸だった。木村のほか鈴木京香、沢村一樹、及川光博ら豪華な共演陣に囲まれるなかで爪あとを残すことに成功した。これ以後、連ドラのレギュラー出演が増えていくことになったことからも、ターニングポイントとなった作品といえるだろう。

 『鎌倉殿~』では、実直であり感情的、若さゆえの愚かな一面も持つ公暁を泥くさく演じていた。濃い顔をしているせいか、時代劇にマッチしている印象がある。目力の強さも祖父・父譲りで、まだ経験こそないものの舞台映えすると思われる。これからもその演技でかなりのインパクトを残していくだろう。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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