「堺・父弟殺人」で無期懲役判決 被告が逮捕前につづった「日記」の中身【後編】

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 おぞましい事件に、ひとまず一つのピリオドが打たれた。2018年に大阪府堺市で、父親と弟を殺害したとして、殺人罪などの罪に問われていた無職、足立朱美被告(48)の裁判員裁判が11月29日、大阪地裁で開かれたのだ。朱美被告に言い渡された判決は、無期懲役――。一応の決着を見たとはいえ、今なお多くの謎が残るこの事件、果たしてどんなものだったのか。「デイリー新潮」に2018年当時掲載された記事を、前後編で再掲載。後編では、編集部が独自に入手した朱美被告の日記から、事件の真相に迫る。※記事中の年齢・肩書等は、当時のままです。

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 地元の小中高大を卒(お)えている彼女は中学生時代、「クラスのマドンナだった」という。

 同級生のひとりは、

「スポーツも勉強もでき、男子にも人気がありましたから。小学校ではバレー部、中学時代は陸上部で足も速い。進学したのは『お嬢様女子高』で勉強もそこそこできないと入れなかった。学生結婚で、相手はかなり年上と聞いたけどね」

 と話す。その郵便局員の夫との間に息子を2人もうけたが、旦那のギャンブル狂いに愛想を尽かし、別離を決意。そこで彼女の取った行動は新聞沙汰になった。

【夫の定期入れに大麻、通報「離婚有利」妻、容疑で書類送検】(2006年9月20日付、朝日新聞)

 と見出しにあるが、記者の苦心の跡が垣間見える。記事では、「夫が大麻所持で捕まれば離婚調停が有利になり、子供の親権が得られると思った」などと供述内容が紹介されている。結果、旦那とは離婚。ちなみに当時は花屋を経営していたが、その他、キャバ嬢、中古車ディーラー業、個室エステ嬢など自分探しを続けるなかで不惑を迎え、最近はバーの経営にも携わっていた。

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