【ドイツ戦】勝負師・森保一監督に脱帽…勝ち点3以上の大きな意味とは?

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 前半が終わった段階で暗澹たる気持ちを抱いたのは私だけではないだろう。スコアこそ最少の0-1だったものの、日本のチャンスらしいチャンスは前半8分、オフサイドになったFW前田大然(セルティック)のゴールシーンだけ。

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 チャンスを作れないだけならまだいい。問題は、ほとんどワンサイドゲームでドイツの猛攻を耐えることしかできなかったことだ。

 反町康治・日本サッカー協会(JFA)技術委員長は、「(強豪相手に)カウンター一辺倒だと前線の選手が疲弊してしまう。うまくDFラインでパスを回して時計の針を進めることも必要」と話していた。

 今大会、劣勢が予想されるドイツ戦やスペイン戦では、カウンターは大きな武器である。しかし、前線からのプレスに加え後方からのタテパスに何度もスプリントを繰り返していては、消耗度が激しいばかりか相手にも読まれやすい。

 そこで、GKも含めてDFラインでパスを、時にはバックパスを織り交ぜて、できるだけ失点のリスクを避けつつ時間を稼ぐのは当然の策である。しかしドイツはしたたかで、それすらやらせてくれなかった。

 前線のFWカイ・ハーバーツ(チェルシー)、MFセルジュ・ニャブリ(バイエルン・ミュンヘン)、19歳のMFジャマル・ムシアラ(同前)らがまったく手を抜かず、日本の最終ラインにプレスを掛けに来る。このため日本はクリアに逃げるしかなく、簡単に拾われては波状攻撃を受けた。

カウンター発動

 リードしてもペースダウンすることなく“勤勉”にプレスを掛け続けるドイツ。“らしい”と言えば“らしい”が、これが後半も続けばボディーブローのように日本の体力を消耗させ、組織的な守備も崩壊するのではと危惧した。

 ところが、森保一監督は後半を迎え、守勢のため持ち味を発揮できないMF久保建英(レアル・ソシエダ)に代えてCBの冨安健洋(アーセナル)を起用。まずは5バックにしてスペースを消しつつ、誰をマークするのか役割を明確にした。

 4-2-3-1から5-4-1へのシステム変更だったが、ドイツは戸惑ったのか、それとも前半のハイペースがたたったのか、プレスの出足が鈍くなる。

 すると森保監督は後半12分、前田に代えて浅野拓磨(ボーフム)を投入。疲労度を考えれば当然の交代策だったが、想定外だったのは、同時に左WG長友佑都(FC東京)に代えて、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)ではなくドリブラーの三笘薫(ブライトン)を起用したことだ。

 この交代策で日本はようやくカウンターを発動できるようになり、16分と24分に浅野が強引なシュートでドイツ・ゴールを脅かすようになる。

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