NHK「紅白歌合戦」に上がる怨嗟の声…そういえば「ガッテン!」打ち切りの時も

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 大みそかの「NHK紅白歌合戦」が議論を呼んでいる。出場者が若者を強く意識した人選に映るからだ。韓国系アーティストが5組でジャニーズ事務所勢が6組。国内勢の初出場組はAimer、Vaundyら中高年以上には馴染みの薄い面々。なぜ、こんな人選なのか? その答えは2月の「ガッテン!」の打ち切りを考えると見えてくる。

早くから出ていた「紅白変革」のサイン

 紅白が若者を強く意識しているように映る。実際にそうだろう。唐突なことではない。これを予告する「サイン」はいくつも早くから出ていた。

 その1つは高視聴率番組と呼ばれた「ガッテン!」(水曜午後7時半)が今年2月2日で終了したことである。健康をテーマにすることが多い情報番組だったのはご記憶の通りだ。

 まず紅白の若者対策を象徴する初出場組の顔ぶれをあらためて見てみたい。初出場は全出場歌手42組のうち10組。中高年以上の人ですべて知っていたら、相当の音楽通である。

【紅組】5組
・IVE 韓国の6人組女性アイドルグループ。うち1人は日本人。
・ウタ アニメ映画「ONE PIECE FILM RED」のキャラクター。歌唱担当は覆面アーティストのAdo(20)。
・Aimer テレビアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」(フジテレビ)のオープニングテーマ「残響散歌」とエンディングテーマ「朝が来る」を歌った女性アーティスト。年齢非公開。
・緑黄色社会 男女4人組のポップロックバンド。
・LE SSERAFIM 韓国の5人組女性アイドルグループ。うち2人は日本人。

【白組】5組
・Saucy Dog 3人組ロックバンド。
・JO1 韓国で行われたオーディションで生まれた日本人11人のボーイズグループ。
・Vaundy 22歳のシンガーソングライター。
・BE:FIRST 7人組ボーイズグループ。日本テレビの情報番組「スッキリ」が密着したオーディションから生まれた。
・なにわ男子 ジャニーズ事務所所属の7人組アイドルグループ。中高年以上には馴染みが薄い一方、若者たちの認知度と人気は抜群の面々だ。

 この紅白の人選と「ガッテン!」の打ち切りに共通するキーワードは「NHKも若者に観て欲しい」。

視聴者の大半が高年齢だった「ガッテン!」

「ガッテン!」の最終回の視聴率は「何軒観ているか」を測る世帯視聴率は12.7%。「1人ずつ性別や年齢まで詳しく調べる」個人視聴率が7.4%。どちらも堂々の高数値だった。世帯も個人も大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜午後8時)とほぼ同水準である。

 だから「なぜ終わるのか」と疑問の声が噴出したが、個人視聴率を性別と年代別に細かく見てみると、M1(男性の20~34歳)は僅か0.3%しかなかった。愕然とするほどの低視聴率だ。

 M2(男性35~49歳)も1.9%と振るわなかった。一方、男性の50歳以上では12.8%に跳ね上がった。

 女性の傾向も同じ。F1(女性の20~34歳)は1.5%、F2は2.8%(女性の35~49歳)。だが、女性の50歳以上は14.4%もあった。

 観ている人の大半が高年齢――。それが高視聴率番組「ガッテン!」の正体だった。終了の大きな理由は視聴者層の若返りを狙ったからにほかならない。

 2年半前までの世帯視聴率時代なら「ガッテン!」の打ち切りも紅白の若者対策もなかった。誰が観ているか分からないし、家族のうち誰かが1人でも観ていたら数字が獲れたからだ。

 今は違う。NHKも民放と同じく、もう世帯視聴率を使っていない。個人視聴率が標準化した。NHK局内の業務報告書からは「世帯視聴率」という言葉すら消えた。

 NHKの音楽番組の視聴率はどうだろう。看板の「うたコン」(火曜午後8時)の11月8日放送分は世帯9.2%、個人5.4%と上々だった。同10日放送で藤井フミヤ(60)が登場した「SONGS」(木曜午後10時)も世帯4.6%、個人2.4%とまずまず。

 だが、「うたコン」の個人視聴率はM1(男性20~34歳)が0.2%でM2(同35~49歳)は同0.9%にとどまっている。一方、男性50歳以上になると同8.5%に跳ね上がる。

 女性はF1(女性20~34歳)が1.0%でF2(同35~49歳)は1.5%。50歳以上は11.7%でやはり大幅にアップする。

 片や「SONGS」はM1が0.2%、M2が3.2%、50歳以上が7.5%。F1は0.7%、F2が3.2%、50歳以上は8.1%もある。現時点ではNHKの音楽番組は若者と相性が悪い。

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