星野巨人、西本阪神…実現すれば黄金時代が到来した? 幻に終わった監督列伝
異例の“外様監督”として招聘交渉
来季は広島・新井貴浩、西武・松井稼頭央、ロッテ・吉井理人の新監督3人がどんな采配を見せるか注目される一方で、過去には監督候補として名前が挙がりながら、諸々の事情で実現しなかった“幻の監督”も多く存在する【久保田龍雄/ライター】
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まず、歴代監督はいずれも生え抜きという伝統がある巨人にあって、異例の“外様監督”として招聘交渉が進められたのが、当時阪神のシニアディレクター(SD)だった星野仙一氏である。
2005年のシーズン中、渡辺恒雄前オーナーは、成績不振の堀内恒夫監督に代わる次期監督として、星野SDに白羽の矢を立てた。交渉は水面下で進められ、瀧鼻貞雄オーナーを通じて、阪神側に星野SDの譲渡をお願いした。年俸10億円という破格の条件が提示されたと伝わる。
だが、星野SDは「私よりも、そちらには若大将がいます」とわずか2年で退任した原辰徳前監督を推薦し、自らは辞退した。
話がサイン寸前まで進んでいたことを考えると、本人にも「やってみたい」気持ちがあったと推測できるが、巨人内部で星野SD招聘に反対する声が一部あったことや全権監督として結果が出なかったときの風当たりの強さなどを考慮し、最終的に断念したようだ。
巨人は翌06年から原監督が再び指揮をとり、07年からリーグ3連覇を達成するなど、チームの再建に成功したが、「巨人・星野監督も見たかった」というファンも少なくないはずだ。
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