住宅ローンを抱えている人の不安を煽る報道ばかり…実際、変動金利はいつ、どれくらい上がるのか

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

 共同通信は10月31日、「住宅ローン金利、3行上げ 11月、大手5行の固定10年」の記事を配信した。《主力の固定型10年の最優遇金利は三井住友銀行とみずほ銀行、りそな銀行の3行が10月水準から引き上げた。残り2行は据え置いた》という内容だった。

 ***

 10月と11月の金利を比較すると以下のようになる。大手5行の金利を低い順に並べた。

◆三菱UFJ銀行【据え置き】
0・83%→0・83%

◆三井住友銀行【引き上げ】
0・83%→0・93%

◆三井住友信託銀行【据え置き】
1・05%→1・05%

◆りそな銀行【引き上げ】
1・05%→1・08%

◆みずほ銀行【引き上げ】
1・05%→1・20%

 当然ながらこうした報道は、実際に住宅ローンを組んでいる人だけでなく、ローンでマイホームを買おうと検討している人も気になるだろう。

 大手報道機関が運営するネットメディアでも「住宅ローンの金利上昇で大変な時代になる!」と、かなり不安を煽っている。代表的な記事を2つ、タイトルだけ紹介しよう。

◆「高すぎて買えない」住宅ローン固定金利引き上げ 金利上昇への備えはどうすれば?(TBS NEWS DIG:11月9日)

◆住宅ローン「変動金利3%」で残額4千万円の人は返済額1600万円増(女性自身:11月10日)

 各種ローンの金利に大きな影響を及ぼすのが、「銀行の銀行」と呼ばれる中央銀行だ。日本の場合は日本銀行になる。そのトップは黒田東彦総裁(78)。担当記者が言う。

「現在、日銀の政策金利はマイナス0・1%です。前代未聞の低金利政策で、2016年にマイナス金利が発表された際の大騒ぎをご記憶の方も多いでしょう。日銀は徹底した低金利政策を採ることで法人や個人が融資を受けやすいようにさせ、投資を促進して景気を回復させようとしてきました」

次ページ:金利上昇説の根拠

前へ 1 2 3 4 次へ

[1/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。