「日本人の7割は遺伝的に不安に陥りやすい」 特に注意すべきは「権力を持った高齢男性」…健康長寿を阻む孤独にどう立ち向かう?

ドクター新潮 ライフ

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男性は1日7千語、女性は2万語

 ちなみに、男性は1日平均7千語話すのに比べ、女性は2万語だといわれています。男性は目的があって話すのに対し、女性は話すこと、雑談すること自体が目的という分析もあります。したがって、高齢夫婦の場合、孤独に陥りやすいのは圧倒的に夫のようです。実際、ボランティア活動でも、趣味の集まりでも、すぐに打ち解けてお喋りに花を咲かすことができているのは女性という印象が強いのではないでしょうか。

 さて、プライドを捨てろと言われても、長年にわたって培われたものを簡単に捨てることなどできない、人にへりくだるのがどうしても苦手という人もいるでしょう。先に説明したように、会社で地位が高かった人ほど「脱プライド」は難しい。そうした人には、形から入ることをお勧めします。まずは笑う、つまり口角を上げる。無理にでも笑顔を作るのです。

 この口角上げにはふたつの効果があります。まずは、物理的に笑顔を作ることで、プライドに紐づいた「上から目線」という印象を消して、集団の中に溶け込んでいくことができるメリット。次に、無理にでも笑うと本当に楽しい気分になる利点です。

無理に笑う

 人は楽しいから笑うのか、笑うから楽しくなるのか。鶏が先か卵が先かと似たような話ですが、どちらも正しいのです。こんな実験があります。鉛筆くらいのサイズの棒を横向きにくわえて「笑顔を作った」場合と、棒を縦にくわえて「口をとんがらせた表情を作った」場合とを比較。すると、前者の方が楽しい気分になったという人が多かった。これは科学的には、笑顔を作ることで脳が「今は楽しい状態なんだ」と錯覚する結果だと思われますが、いずれにしても無理に笑う、口角を上げることは、実はロンリネスを解消する第一歩なのです。

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