夫の部下に一目ぼれされた26歳美人主婦の不倫 “ほれられやすい女性”は果たして幸せなのか?

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男性に押されてゆっくりと考えてこなかった相談者

 クラプトンの自伝(『エリック・クラプトン自叙伝』シンコーミュージック)には、妻パティに恋した経緯も書かれています。

 本人は、「パティをどうしても手に入れたいと思った。最高級の車や偉大なキャリア、美しい妻という、僕が欲しいものをすべて手にしている男のものだったから」と振り返っています。さらに続けて、「こういう感情は昔にも覚えたことがある。僕の母親が再婚してカナダから新しい家族が来たとき、異父兄弟が持っていたおもちゃが欲しくてたまらなくなった。僕が持っているおもちゃより、高くていいものに見えたんだ。僕が、ジョージの妻であるパティに恋した一部分は、間違いなくその時の感情と似ている」と書かれています。

 自らを「おもちゃ」だと言われたと思ったのか、相談者の彼女は、口を尖らせて言います。

「だって、でも、クラプトンは『いとしのレイラ』っていう名曲をパティのために作ってくれているんですよ」

 たしかにそうなのですが、それは、クラプトンがパティに恋してハリソンから奪い取る前の曲です。この先を話すと身も蓋もありませんが、クラプトンは稀代の名曲を捧げ、努力して手に入れたパティと結婚した後、じつは不倫しており、別の女性との間に子供をもうけています。これが歴史的事実なのです。

 相談者が、大物アーティストたちのロマンスに思いをはせながらご自身の恋を語るのは自由ですが、その恋は不倫です。

 不倫には代償がつきものですし、厳しい表現をすれば、相談者の彼女はパティ・ボイドではありませんし、会社経営の夫君はジョージ・ハリスンでもなければ、年下の不倫相手はエリック・クラプトンでもありません。

 彼女はまだ26歳です。年下の不倫相手は24歳。

 二人ともこれからの長い人生を考えることが大切です。出会って3カ月で結婚した今の夫とのこと、一目ぼれされた年下の不倫相手のこと、いずれも彼女は早く決めすぎてきたかもしれませんし、男性のパワーに押されて流されてきたかもしれません。

 大切な自分自身の人生です。ゆっくり時間をかけて考えていく習慣を身に付けていきましょうね。

 若い彼女にそれを丁寧に説明したのでした。

池内ひろ美(いけうちひろみ)
家族問題評論家。一般社団法人ガールパワー(Girl Power)代表理事。家族メンター協会代表理事。内閣府後援女性活躍推進委員会理事。1996年より「東京家族ラボ」を主宰。『とりあえず結婚するという生き方』『妻の浮気』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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