神戸山口組「井上組長」自宅銃撃犯と6代目山口組傘下「有力幹部」の窃盗逮捕をつなぐ点と線

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その荷物はオレが預かるよ

 浅野若頭補佐は、「それなら、その荷物はオレが預かるよ。また、あなたの引っ越し作業も人を出して手伝わせるから」と答えたという。

「厚意と親心から出た言葉だったようで、実際に内縁女性から一旦荷物を預かったのですが、それで物を盗んだ疑いをかけられたということのようです」

 浅野若頭補佐の担当弁護士は「逮捕は不当」と準抗告したが却下されたという。

「この浅野若頭補佐は、同じく野内組傘下で2代目川合組舎弟の林雄司組員とは兄弟分だと聞きました。この林組員は6月5日、神戸市にある神戸山口組の井上邦雄組長の自宅へ発砲した容疑で逮捕されています。浅野若頭補佐はこの銃撃の共犯の疑いをかけられていると聞きましたね」(同)

 警察の狙いの本丸はこちらの銃撃事件にあるということなのだろうか。

「仮に井上組長宅への銃撃に関して共犯が強く疑われるような状況になれば、それを浅野若頭補佐に指示した人物の存在がクローズアップされるでしょう」(同)

対外的なアピールに

 当局としては使用者責任を見据えての身柄拘束ということだったのか? とすると、一種の別件逮捕ということになるが……。

「実際にどこまで、その“別件”の方に迫れるかというところですね。浅野若頭補佐は黙秘を貫くことでしょうし、そのまま別に証拠が出てこなければ20日間の勾留で釈放ということになります。若頭補佐自身、身に覚えのない逮捕にはまったく納得していないと聞きました。一方で警察としては、ちょっとした穴やほころびがあると見れば暴力団組織撲滅のために動くのは当然でしょう。3代目弘道会、そして野内組はこの世界でとても注目されていますし、そこの大幹部の身柄を拘束するというのは対外的に大きなアピールポイントとなるはずです」(同)

 神戸山口組や対等連合を組む池田組などのトップへの追撃の手を強める6代目山口組側。そのタイミングを組織弱体化のチャンスと警察当局もうかがっていることは間違いないのだろう。

デイリー新潮編集部

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