“ハンコ失言”の葉梨法相 法務省内からは「この大臣がいる限り、次の死刑執行はムリ」

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「二つを覚えておけばいい」と言ってクビになった法相もいた

 永田町関係者も「言いたかった意味がわからないではないが、あり得ない発言」と批判する。

「確かに法相は、経産相や厚労相などと違って、日々の政策作りも少なく楽なのは事実。民主党政権時代の2010年、当時の柳田稔法相が『法務大臣は“個別の事案についてはお答えを差し控えます”と“法と証拠に基づいて適切にやっております”、この二つを覚えておけばいい』と言ってクビになりましたが、まさにその通り。ただしその分、人の生死を左右する重大な決断をしなければならない重責を負っているわけです」(同)

 永田町では大酒飲みで知られ、「1日でブランデーを1本開けるくらい」(政治部記者)だという。ただし健康オタクだそうで、「昼は食事を抜いて議員会館のジムでランニングしている」(同)とのこと。そんなにヒマなのか……。

午前中の「撤回しない」が午後に一転

 弁明の仕方も言い訳がましく、みっともなかった。失言翌日の10日午前中に記者団の前で、「発言の一部を切り取られた」などとマスコミに責任転嫁するようなことを述べ、発言を「撤回しない」とした。だが、その後開かれた参院法務委員会では一転して撤回した。

 この日、衆議院本会議では民法改正案の採決が行われる予定だったが、15日以降に先送り。11日には衆院法務委員会で、この問題について3時間、葉梨氏への集中審議が行われることが決まっている。

 岸田首相はASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議などに出席するため、11日から17日まで外遊に出るが、野党は「辞任に追い込む」と意気込んでいる。首相は葉梨氏を守りきれるのか……。

「岸田さんにとって葉梨さんは同じ派閥の子分。今のところは守りたいようだが、当初は庇いながらも結局は更迭せざるを得なかった山際大志郎前経済再生相の時のドタバタが再来する可能性もある。予断を許しません」(前出・記者)

デイリー新潮編集部

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