餃子の王将事件 ヒットマン「田中容疑者」はなぜ現場に証拠となる“吸い殻”を残したのか

  • ブックマーク

Advertisement

殺人の前の“儀式”

 プロのヒットマンは、殺人を実行する前、緊張を解くための“儀式”を行うことがあるという。

「田中の場合はタバコでした。タバコを一服吸って、緊張を解くのです。吸い殻を残さないように、携帯用の吸い殻入れを用意すべきだという指摘もあるでしょう。でも、おそらく吸い殻入れは普段使ってなかったので、なんとなくしっくりこない。これでは緊張を解くことができません。いつものように吸った後は、パッと捨てるというのが彼のルーティーンだったのでしょう」

 他には、緊張をほぐす儀式はどんなものがあるのか。

「あるヒットマンは犯行を実行する前に、執拗に何回も手を洗うそうです。洗っているうちに、緊張感が薄れていくようです」

 右翼団体に所属したヒットマンの場合は、ちょっと変わっていたという。

「犯行直前に頭を坊主にするのです。言われてみれば、緊張が取れてすっきりするような気がしますが……。こちらは緊張を解くというより気合を入れるという意味合いでしょうか。また、直前は好きな肉食を控え、気分を集中させるという者もいました。“儀式”の内容は、人それぞれです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。