中国共産党大会で胡錦濤前国家主席が退場のナゾ 習近平も困惑…背景にパーキンソン病、認知症か

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 熾烈(しれつ)な権力闘争、その非情さを象徴するかのごとき光景である。かつて中国トップの座に君臨した長老が、公の場から引きずり出された“事件”。理由を巡ってはさまざまな臆測が飛んだが、最も困惑したのは他ならぬ「あの人物」だという。

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 異変は海外メディアの入場が許された直後に起きた。10月22日、中国・北京の人民大会堂で行われた中国共産党大会の閉幕式で、胡錦濤前国家主席(79)が突然、右脇を抱えられ、姿を消してしまったのだ。

 西側メディアのカメラは、胡氏が隣に座っていた習近平国家主席(69)の書類に手を伸ばし制止された様子、また離席を促されても抵抗するような姿を捉えた。最後は来年3月に任期満了で引退する李克強首相(67)の肩をたたき、おぼつかない足取りで会場を去ったが、中国国営の新華社通信は英語版のツイッターで“体調不良だった”と伝えるのみ。かの国だけに、額面通りに受け取っていいものか。

見せしめとして“粛清”

 北京駐在の特派員が言う。

「習氏は3期目を迎えるにあたり、異例ともいえる国家主席の事実上の終身制を実現したうえ、子飼いの人物を党の要職に抜てきしました。そのことに胡氏が不満を抱き、大会で不規則発言に及ぶ様子を見せたことから、習氏が見せしめとして“粛清”したのではないか。また、胡氏が大会前に了承していた人事案とは異なる名簿が当日配布された。つまり2種類の名簿の存在に気付き抗議したのでは、などと報じるメディアもあります」

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