国民に知られたくない統一教会と公安警察の本当の関係 昔は頼もしい存在だった?

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「スパイ防止法」

 世界日報は設立当初、全国紙を目指していたこともあり、いくつかスクープをものにしている。

 例えば、1984年8月4日、朝日新聞は南京大虐殺が事実だったと生首が転がる写真を添えて報道。これに対して1985年12月28日の世界日報は、「朝日、こんどは写真悪用 南京大虐殺をねつ造」と報じたのだ。朝日が掲載した写真は1931年、朝鮮で市販されたもので、中華民国遼寧省で中国軍が馬賊を処刑したものだった。

 さらに勝共連合は、日本で国家機密へのスパイ行為等の防止に関する法律「スパイ防止法」制定のための署名運動を行っていたことも、公安関係者に好意的に見られていたという。

「勝共連合は1979年、『スパイ防止法制定促進国民会議』を発足し、有識者懇談会も行っています」

 1987年には、スパイ防止法実現のために、北朝鮮のスパイ活動を描いた映画『暗号名 黒猫を追え!』を制作、全国各地で上映した。

「安倍晋三元首相の銃撃事件が起こるまで、公安部や公安調査庁は時々勝共連合の関係者と接触して情報収集を続けていました。合同結婚式や霊感商法を行うなど黙認できないことがあるので、彼らと接触する公安関係者には後ろめたい気持ちもあったと思います。もっとも安倍さんの事件以降は、彼らとの接触は控えているそうです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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