「ハズレの女ばかり引く」 マッチングアプリ“温泉直行男”の悩みと言い分

  • ブックマーク

Advertisement

「『当たり』はゼロ」

「一言で表せば、だまされた感じです」

 だまされた? それは結婚詐欺的なものでしょうか。金銭やプレゼントを貢がされたとか、彼女の仕事に利用されたとか、そういった話を時々耳にすることがあります。

「そんなんじゃありませんよ。というか、利用されるほど長く付き合っていません。彼女たちに会うまでには、それなりに時間をかけています。マッチングアプリで印象のいい女性とメールやLINEでやりとりして、1カ月くらい後に会います」

 彼が女性を選ぶポイントは、マッチングアプリの中にあるプロフィール写真。

 顔の一部を隠していたり、正面からの撮影ではなく横顔だったり、顔全体がわからないようにしている女性もいますが、好みの顔立ちをした女性を選んで、1カ月くらいLINEなどの会話が盛り上がった女性と会う約束をします。

「でも、実際会ってみると『ハズレ』と感じるんですよね。今までに30人近く会いましたが、『当たり』はゼロで、『ハズレ』ばかりでした」

 彼の話を聞いても、どのようなハズレなのか分かりづらいため、もっと具体的に伝えてもらえるよう頼んでみました。

「実際会ってみたら違ったんです」

 彼はスマホのアルバムを開き、指先で十数回スワイプし、その中から一人の女性の写真を見せてくれました。

「たとえば、この女の子。31歳の美容師なんだけどね」

 彼女がマッチングアプリのプロフィール用に使っていたのは、肩から上が写っている横顔の写真。美容師だというだけあって、髪の毛はピンクベージュの明るいトーンで、お洒落なショートカットです。肌は白く透明感があり、少し伏し目がちの表情です。きれいな鼻筋に、横顔の口元はハート形のスタンプで隠していて、セクシーな印象も受けます。

「そうでしょう! このプロフィール写真だとセクシーな女性だと思うじゃないですか。ところが、実際会ってみたら違ったんです。伏し目がちな表情だと思ったのは彼女の目が細いからで、ハート形スタンプで隠していたのは、歯並びが悪いからですよ。俺、歯並びの悪い、目の細い女は嫌いなんで『ハズレ』です」

 最初にプロフィール写真を見たときには好みの顔だと思って1カ月間LINEで文字だけの会話をした後、直接会ってみたら好みとは違っていた。それはよくあることなのかもしれませんし、画像を加工している女性も多いものです。私自身、SNSで出会った女性と初めてお目にかかった時、プロフィール画像と違うなあと感じたことはありますし、時には別人ではないかと感じることもあるほどです。

 31歳美容師、それは43歳の彼からするとかなり若い女性ですが、初めて会った時はどこへ出かけたのでしょうか。それまでLINEで会話しているとはいえ、初めて待ち合わせする時は少しドキドキしますよね。

次ページ:現地集合?

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[3/6ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。