奈緒主演「ファーストペンギン!」は3つの根拠でヒットの予感

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俳優がいい

 書くまでもないだろうが、奈緒の演技力は高い。準主演した映画「マイ・ダディ」(2021年)では牧師の夫(ムロツヨシ)と愛し合い、結婚して娘が生まれたが、娘の実父がかつての自分の同棲相手と分かり、絶望する女性を好演した。その事実を知った時の愕然とする表情が真に迫っていた。

 ヒロインとナレーションを任されたNHK「正義の天秤」(2021年)での初々しい若手弁護士役もハマっていた。いかなる役柄にも対応できる人。役柄の人物に合わせて雰囲気まで変えられる。

 半面、奈緒の民放プライム帯(午後7時~同11時)での連ドラ主演は初めてであることから、日本テレビは勇気も要ったはず。初主演の俳優はスポンサーを集めにくいからだ。

 だが、新しい人の起用を躊躇っていたら、主演が同じ俳優ばかりになってしまう。ドラマ全体に既視感が生まれる。シンプルな発想でうまい人を主演に据えた日本テレビは英断をした。

「さんし船団丸」社長・片岡洋役の堤真一(58)は文句なしにうまい。とりわけ片岡のようにコミカルな面とペーソスを表現する面を併せ持つ男は抜群にいい。

 格の違いを見せたのは杉浦久光役の梅沢富美男(71)。大衆演劇界で「300年に1人の役者」と呼ばれているのはダテじゃない。

 迫力、貫禄、威厳の全てがすっかり守旧派の漁協組合長である。今後も和佳の前に立ち塞がるのだろう。

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