奈緒主演「ファーストペンギン!」は3つの根拠でヒットの予感

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隠しテーマが骨太

 多くの人が感じているはずだが、この作品はダブルミーニングに違いない。汐ヶ崎という架空の浜はおそらく暗に現在の日本も指す。

 漁協組合長・杉浦久光は将来のことを一切考えず、「さんし船団丸」社長の片岡洋もこれまでは問題意識を持っていなかったから、汐ヶ崎の衰退は招かれた。このままでは将来も暗い。

 一方、日本も危機意識がなかったり、低かったりする問題がいくつもある。代表例が少子高齢化人口減問題だ。50年も前から予見されていながら、有効な対策が施されなかった。

 杉浦は自分が死んだ後のことは念頭にない。「そん先は、そん時の若いもんにお任せじゃ」(杉浦)。後に続く世代はたまらない。ずっと問題が先送りされてきた少子高齢化人口減と似ている。

 このままでは100年後には人口が現在の3分の1になってしまう(内閣府調べ)。「そん時の若いもんにお任せ」では済まない。

 ちなみに、この作品を企画したのは日本テレビの武澤忠氏。情報番組の演出をする一方、ドキュメンタリストとして「オウム真理教事件・地下鉄サリン事件」(1995念)や「東日本大震災」(2011年)などを追ってきたバリバリの社会派だ。

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