“出雲のイナズマ”里見香奈女流五冠、苦戦の理由は猛烈なハードスケジュール? 巻き返しの可能性は

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猛烈なハードスケジュール

 やはり「ガラスの天井」は思った以上にぶ厚いということか。確かに1974年の創設以来、「女流棋士」は日本将棋連盟所属だけでも79名が誕生したが、いまだに「棋士」になれた女性は一人もいない。先に挙げた奨励会でも里見五冠はじめ約20人の女性が「棋士」を目指して奮戦したが、いずれも“合格”はかなわず。ようやく巡ってきた機会が今回の編入試験だった。

「里見さんは、女流の対局を戦いながら、編入試験を受けています。今年の対局数はここまで女流・男性棋士を相手に45局。男性棋士で最多の方が33局ですから、猛烈なハードスケジュールといえます。制度上無理ですが、もし編入試験一本に絞れれば、現在の里見さんの力なら違う展開もあったかもしれません」(同)

 残り3局、追い込まれて強さを発揮する“出雲のイナズマ”の真価を見せるのはここからだ。

撮影・西村 純

週刊新潮 2022年10月6日号掲載

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