巨人、衰えた「坂本勇人」の後釜をどうする? 気になるドラフト候補の“実名”

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女性問題が「世代交代」を後押し

 ドラフトまであと約3週間となった9月28日、大きなニュースが飛び込んできた。この日、スカウト会議を行った巨人が、夏の甲子園で活躍した高松商のスラッガー、浅野翔吾をドラフト1位で指名することを事実上公言したのだ。ここ数年、事前に1位指名選手を公言する球団は増えているが、この時期に、公になるのは、あまり例がないことである。レギュラー野手の高齢化が進み、新たな中軸候補が欲しいチーム事情を考えると、「甲子園のスター」である浅野はうってつけの人材と言えるだろう。【西尾典文/野球ライター】

 ただ、仮に浅野を獲得できたとしても、巨人にとって頭の痛い大きな課題は残っている。不動のショートとして活躍してきた坂本勇人の“後釜問題”だ。今年は、度重なる故障でレギュラー獲得後、最低の成績となっており、加えて女性問題が報じられたことも「世代交代」を後押しする要因になっている。

 今年は2年目の中山礼都が一軍で経験を積んだとはいえ、将来のレギュラーを確信させるだけのインパクトは残しておらず、現場のスカウト陣には「次の坂本を探して来い」という指令が出ているという話も出ている。

 それにもかかわらず、外野手である浅野の1位指名を決めたことからも分かるように、今年は1位が確実と言えるショートのドラフト候補がいないとされている。しかしながら、プロで上手に育成できれば、「ポスト坂本」になる可能性を秘めたドラフト候補はいる。

両親がナイジェリア出身の大型ショート

 高校生の候補でまず真っ先に挙げたい選手が、誉高校のイヒネ・イツアである。ナイジェリア出身の両親を持つ大型ショートで、最大の魅力は高い運動能力だ。

 甲子園や東海大会といった大舞台の出場経験はないが、夏の愛知大会には多くのスカウトが視察に訪れていた。チームは2回戦から登場して3回戦で敗れたものの、2試合で7打数5安打、本塁打1本を含む長打4本と圧倒的な結果を残している。

 対戦した中部大第一、西尾東は、いずれも県内で上位に進出することが多い実力校であり、そんなレベルのチームからこれだけの結果を残していることは見事という他ない。スカウト陣が特に評価しているのは、その成長スピードだ。

「下級生の頃はそれほど目立つような選手ではありませんでしたが、2年の秋から3年の春にかけて急激に良くなりました。守備では動き出しが良くなりましたし、難しい体勢で捕球しても、アウトにできるようになった。一方、バッティングは、ボールをしっかり呼び込める打席が増えて、パワーが生きてきたように見えます。(一軍で戦力になるには)相当時間はかかるタイプで、二軍のコーチなど預かる指導者によって将来は大きく左右されると思いますが、モノになった時は“とんでもない選手”になりそうな楽しみはあります。どの球団もどれくらいの評価をしているか、気になっていると思います」(パ・リーグ球団スカウト)

 現時点では上位候補という報道はないが、今年の高校生は、外野手に比べると内野手のドラフト候補が少ないこともあって、イヒネの評価が上がることも十分に考えられる。巨人としては2位、もしくは浅野が抽選となって外した時の「外れ1位候補」としても面白い選手ではないだろうか。

 他のショートでは、天理・戸井零士、浦和学院・金田優太、天理大・友杉篤輝、亜細亜大・田中幹也、立正大・奈良間大己らが有力候補となるが、タイプ的には、坂本と重なる選手ではない印象だ。

 そうなると、他のポジションからのコンバートを検討したい。そこで名前を挙げたい選手が、大阪桐蔭・松尾汐恩(捕手)、利根商・内田湘大(一塁手)、大阪観光大・久保修(外野手)の3人だ。

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