「パナソニック ホームズ」が「反社物件」で大儲け すねに傷を持つ金融ブローカーが介在

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無借金

 中島ビルはもともと設備会社Wが表向きの所有者で、実質的なオーナーは東京・恵比寿にある不動産管理会社Aだったという。新橋の不動産業者は当初から転売目的で、17年7月にビルの売買契約を締結。購入代金は36億円だった。ところが、手付金3000万円をW社に支払ったあと、転売予定先との話が頓挫する。

「急遽、転売先探しを始めました。野村不動産や東急不動産など資金力のある大手には軒並み声をかけた。ところが、どこも“反社物件だから手を出せない”との返事でした」

 自社の顧問の警察OBなどを通じて確認すると、やはりW社もA社もクロ。しかし、売買契約締結済みだったため、W社からは手付金没収のうえ違約金1億円の支払いを求める訴訟を起こされてしまう。その法廷闘争の最中、金融ブローカーが介入した末に、パナソニック ホームズが中島ビルの所有権を得たのだ。37億5000万円、無借金での購入だった。

 パナソニックホームズは今年7月、フジサンケイグループの「サンケイビル」に推定50億円で中島ビルを売却。反社物件で大儲けした格好である。

「週刊新潮」2022年9月29日号「MONEY」欄の有料版では、中島ビルの売買をめぐる経緯を詳報する。パナソニック ホームズは、「反社チェックや売主への物件情報の開示を含め、当社が不動産を購入するにあたり通常行う調査を実施しております」と主張している。

週刊新潮 2022年9月29日号掲載

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