「そりゃ坂本選手の中絶トラブルは記事にできないよ」スポーツ紙OBはなぜそう言うのか

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「スポーツ紙も坂本に加担している」、「スポーツ紙が報道しないのはおかしすぎる」、「スポーツ紙は忖度をやめてください」──Twitterには疑問の声が相次いで投稿されている。巨人・坂本勇人選手(33)をスポーツ紙が庇っている、というわけだ。

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 文春オンラインは9月10日、坂本選手の“女性虐待”問題を報じた。交際していた女性が妊娠を伝えたところ、坂本選手は中絶を示唆。ショックで女性は自殺しようとしたが、辛うじて一命は取り留めたという衝撃的な内容だった。担当記者が言う。

「坂本選手がプロ野球界を代表するスターであることは言うまでもありません。記事のインパクトも充分でした。ところが、高い関心を集めるスキャンダルであるにもかかわらず、スポーツ紙はこれまで一切、文春の報道を記事にしていません。これがネット上で強い批判を集めています」

 スポーツ紙のOBは「紙面の責任者はとてもではありませんが、『後追い記事を書け』と部下に指示することはできないでしょう」と言う。

「まず記事によると、被害者女性と坂本選手の間で示談が成立したそうです。更に、文春さんの取材を受けたのは、被害者女性の友人だとあります。記事を読むとあまりに詳細な告白で、『実はご本人が真相を語ったのかな』とは思いました。それはともかく、仮に示談前で、ご本人の告発という現在進行形の内容だったなら、各紙も後追いできたかもしれません」

原監督との相違点

 今回と同様、文春が巨人の“暗部”に斬り込んだ記事を掲載し、スポーツ紙が後追いをしたケースが以前にはある。

 2012年、週刊文春は原辰徳監督(64)の不倫問題を報じた。元暴力団員から不倫問題について脅迫され、原監督が1億円を支払ったという内容だ。

 この報道には、スポーツ紙も後追いをした。一例として、スポーツニッポンの見出しだけをご紹介する。

◆プロ野球 巨人・原監督 不倫で1億円払った 報道事実認め異例のお願い 「清武さん」暴露もうやめて!! 3月の契約金超過報道に続く巨人軍スキャンダル(2012年6月21日)

「確かに原監督の不倫問題は、スポーツ紙も後追い記事を掲載しました。ただしこの場合は、脅迫という刑事事件の要素がありました。一方、坂本選手の場合、被害の状況は極めて深刻ではありますが、民事事件であるのも事実です。後追いすると、巨人サイドから“選手のプライバシーを侵害している”と言われる可能性もありますね」(同・スポーツ紙OB)

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