「そりゃ坂本選手の中絶トラブルは記事にできないよ」スポーツ紙OBはなぜそう言うのか

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巨人の“報復”は日常

 文春オンラインは「スポーツ紙やテレビ局が後追い報道をしない理由」というテーマでも記事を作成している。まずはタイトルをご紹介しよう。

◆「巨人坂本選手のネタ、取り扱いNGです」ワイドショー制作陣に流れた“忖度チャット”入手「巨人の広報部は百戦錬磨ですから…」(9月17日)

「タイトルにも書かれていますが、記事の本文ではワイドショーのスタッフが、『坂本選手の件を扱ったら、長嶋さん関連の情報が入らなくなる』と報告した場面が描かれています。『長嶋さん』とは言うまでもなく、巨人の長嶋茂雄・終身名誉監督(86)のことです」(前出の記者)

 9月6日、長嶋氏が都内の病院に緊急入院した。ワイドショーのスタッフやスポーツ紙の記者が「もし巨人の不興を買ってしまい、その間に長嶋さんの体調が悪化したら……」と不安になったとしても不思議はない。

 だが、前出のスポーツ紙OBは、「そうでなくても、巨人は日常的にスポーツ紙を“コントロール”してきますよ」と明かす。

「例えば巨人が優勝したとしましょう。スポーツ紙としては、監督や選手の手記、独占インタビューが欲しいわけです。ところが巨人は、過去に掲載した“巨人にとって好ましくなかった記事”の件をよく覚えており、報復としてやんわりと断ってくるのは珍しいことではありません」

及び腰

 加えて、かつてのような“常勝巨人”の時代なら、不祥事のニュースバリューも上がる。だが、9月21日現在、巨人はセ・リーグ3位だ。

「坂本選手の件では、巨人を黙らせるだけの“報道の大義名分”がなかなか見つかりません。更に記事を掲載したとしたら、陰に日向に巨人から報復を受けるのは目に見えています。そのような状況が誰でも簡単に予想できるわけですから、例えばスポーツ紙のデスクで、『文春の記事を後追いしよう』と考える人は、いないと言うことでしょう」(同・スポーツ紙OB)

デイリー新潮編集部

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