黒島結菜、竜星涼、川口春奈…「ちむどんどん」4兄妹の今後 TBSは1番得した説

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 賛否が渦巻いたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」が間もなく終わる。ヒロイン・比嘉暢子を演じた黒島結菜(25)は10月以降、どうなるのか。兄・賢秀役の竜星涼(29)、姉・良子役の川口春奈(27)、妹・歌子役の上白石萌歌(22)の今後も気になる。それぞれの行方を追う。

黒島結菜の次回作は注目作だが

 黒島結菜はTBSが10月21日から放送する平野紫耀(25)の主演連続ドラマ「クロサギ」(金曜夜10時)でヒロインを務める。

 平野が演じる黒崎高志郎は詐欺師のみ騙す特殊な詐欺師。黒島は検事を目指す正義感の強い大学生・吉川氷柱を演じる。父親が詐欺に遭ったところを黒崎に助けられる。

 黒島は「ちむどんどん」から休まずに登場する。珍しい。不文律があるわけではないが、朝ドラのヒロインは大半が1クール(3カ月)以上の間を空けてから次の連ドラに出演するからだ。

 例えば4月上旬に終了した前作「カムカムエヴリバディ」のヒロインの1人・川栄李奈(27)の場合、NHKで5月末から8回放送された「義経のスマホ」に主演したが、これは深夜の5分間のミニドラマ。通常の連ドラはフジテレビで10月から始まる「親愛なる僕へ殺意をこめて」(水曜夜10時)が第1作となる。主演の山田涼介(29)が2重人格の主人公に扮し、川栄は準主人公のデートクラブ嬢を演じる。

 やはり同作のヒロインだった上白石萌音(24)も10月からテレビ東京の連ドラ「記憶捜査3~新宿東署事件ファイル~」に出演し、刑事課員に扮する。同じくヒロインだった深津絵里(49)はもとから仕事を厳選する人ということもあって、連ドラ出演の予定はない。

 なぜ、朝ドラヒロインの大半が次の作品まで1クール以上空けるのか。朝ドラヒロインを擁する芸能事務所のスタッフは決まって「休んでもらいたいから」と言う。

 朝ドラのヒロインは「毎日の収録終了後はスタジオを這うようにしか歩けなくなる」とも言われるほどハードワーク。おまけに若くても座長だから、気も遣う。だから十分休んでから次の仕事に臨む。

 黒島の場合、本人も所属事務所も覚悟の上で休まずに「クロサギ」に出演するのだろう。確かに依頼を受けたら断りたくないのは分かる。魅力的な作品だ。10月期で屈指の注目作である。

 2006年に山下智久(37)主演で連ドラ化され、ヒットした作品のリメイク版なのは知られている通り。原作漫画のストーリーの考案者は6月に終了した「正直不動産」(NHK)の夏原武氏である。人情の機微に触れる物語を書く人だ。

 2006年版で名優・山崎努(85)が演じた詐欺師界のフィクサー・桂木敏夫は、今回は三浦友和(70)が演じる。この人もまた名優で人格者として知られる。黒島は初顔合わせ。共演してみたいだろう。

 ほかに坂東彌十郎(66)、山本耕史(45)、井之脇海(26)ら演技巧者が出演。黒島はその演技を間近で見たいはず。財産になるためだ。

「ちむどんどん」は黒島にとってプラスにはなっただろうが、マイナスにはなっていないと考える。まず知名度が飛躍的にアップした。これは大きなプラスだ。黒島の名前と顔を知らぬ人はもはやいない。

 朝ドラのお陰で新CMも得られた。JTのイメージCMと医食同源ドットコムのマスクのCMである。どちらも流れ始めたのはこの朝ドラの放送開始後だ。

 そもそもドラマが不評を買った責任は黒島にあるわけではない。ドラマや映画は古くから「1に脚本、2に役者、3に演出」がセオリーなのだから。これを否定する制作者はいない。

 半面、もしも「ちむどんどん」によって黒島が嫌いになった視聴者がいたら、これは仕方がない。批評する立場の人間は好き嫌いを出してはならないが、視聴者は誰だって役者の好みがあるし、それを咎められる筋合いはない。

 だが、そう心配はいらないはず。暢子のキャラは黒島の演技の一部分に過ぎない。例えば昨年3月からWOWOWプライムで放送された全5話のオムニバスドラマ「世にも奇妙な君物語」の第1話「シェアハウさない」に黒島は主演し、仕事に前向きなフリーライターの女性を熱演した。フェミニンな雰囲気の女性で、暢子とはまるで違った。

 若い黒島の評価が固まるのは「クロサギ」ともう2、3作を演じてからではないか。一番得をしたのはTBSである。黒島という女優の真価を確かめたくて、このドラマを観る人は少なくないだろう。

 ちなみに、やはり賛否のあった2012年度下期の朝ドラ「純と愛」のヒロイン・夏菜(33)は現在放送中のフジテレビ系の連ドラ「個人差あります」に主演中。男性から女性への異性化を繰り返すサラリーマンに扮している。難役だが、好評を博している。

 朝ドラでヒロインを務めた後に引退したり、人気が下降したりした人はいるが、1作の朝ドラで女優生命が窮地に立たされた女優はいないのだ。すべて朝ドラ後の本人次第である。

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